最終更新日:2021-11-05
タンクローリードライバーの仕事内容と仕事に必要な免許や資格
この記事では、タンクローリードライバーを目指す方に向けて大きく2つのことを解説しています。
今後タンクローリードライバーとして活躍したい方に必要な「免許」や「資格」に関して事前に確認し、ドライバーとしてのキャリアアップに役立ててください。
【目次】
1.タンクローリー運転手の仕事内容
1-1.タンクローリードライバーの仕事のやりがい
1-2.タンクローリードライバーの年収
1-3.タンクローリードライバーの労働時間
1-4.タンクローリードライバーの1日の流れ
2.タンクローリードライバーに向いている人
2-1.運転が好き、得意な人
2-2.慎重な性格の人
2-3.資格を取得して年収を上げたい人
3.タンクローリーの分類と運ぶもの
3-1.①危険物ローリー
3-1.②非危険物ローリー
3-2.③高圧ガスローリー
4.【免許①】タンクローリードライバーになるなら必須の「大型免許」
4-1.大型免許とは
4-2.大型免許の取得条件
4-3.大型免許の取得方法
5.【免許②】タンクローリードライバーが取得すべき「牽引免許」
5-1.牽引免許とは
5-2.牽引免許の取得条件
5-3.牽引免許の取得方法
6.【資格①】タンクローリードライバーが取得しておきたい「危険物取扱者」資格
6-1.危険物取扱者の資格は3パターン
6-2.危険物取扱者資格「乙種第4類」の概要
7.【資格②】毒物を扱う事業所で働くなら「毒物劇物取扱責任者」資格
7-1.「毒物劇物取扱責任者」資格の取得方法
8.【資格③】高圧ガスを運ぶタンクローリーに乗るのなら「高圧ガス移動監視者」
8-1.高圧ガス移動監視者資格の取得方法
9.タンクローリードライバーの仕事内容と免許や資格まとめ
①タンクローリードライバーの仕事内容(やりがい、年収、労働時間、適性)
②タンクローリードライバーに必要/年収アップに有利な免許や資格の概要と取得方法
②タンクローリードライバーに必要/年収アップに有利な免許や資格の概要と取得方法
今後タンクローリードライバーとして活躍したい方に必要な「免許」や「資格」に関して事前に確認し、ドライバーとしてのキャリアアップに役立ててください。
【目次】
1.タンクローリー運転手の仕事内容
1-1.タンクローリードライバーの仕事のやりがい
1-2.タンクローリードライバーの年収
1-3.タンクローリードライバーの労働時間
1-4.タンクローリードライバーの1日の流れ
2.タンクローリードライバーに向いている人
2-1.運転が好き、得意な人
2-2.慎重な性格の人
2-3.資格を取得して年収を上げたい人
3.タンクローリーの分類と運ぶもの
3-1.①危険物ローリー
3-1.②非危険物ローリー
3-2.③高圧ガスローリー
4.【免許①】タンクローリードライバーになるなら必須の「大型免許」
4-1.大型免許とは
4-2.大型免許の取得条件
4-3.大型免許の取得方法
5.【免許②】タンクローリードライバーが取得すべき「牽引免許」
5-1.牽引免許とは
5-2.牽引免許の取得条件
5-3.牽引免許の取得方法
6.【資格①】タンクローリードライバーが取得しておきたい「危険物取扱者」資格
6-1.危険物取扱者の資格は3パターン
6-2.危険物取扱者資格「乙種第4類」の概要
7.【資格②】毒物を扱う事業所で働くなら「毒物劇物取扱責任者」資格
7-1.「毒物劇物取扱責任者」資格の取得方法
8.【資格③】高圧ガスを運ぶタンクローリーに乗るのなら「高圧ガス移動監視者」
8-1.高圧ガス移動監視者資格の取得方法
9.タンクローリードライバーの仕事内容と免許や資格まとめ
タンクローリー運転手の仕事内容
タンクローリーの運転手は、具体的にどのような業務を行っているのか、詳しく見ていきます。
食品や石油、LPガスなど、多くの人にとって無くてはならないものを運ぶタンクローリードライバーは、社会への貢献度がとても大きな仕事です。
また、運搬するものは危険物であることが多いので、資格や素質を持った、選ばれた人にしかできない仕事でもあります。
つまり、タンクローリーの運転手は人々の生活に役立つ物を運ぶ責任感とやりがいを感じられる仕事だと言えるでしょう。
タンクローリーは一般的に、トラック本体とタンクが一体型になった大型免許が必要な大型車両、または牽引免許が必要なトレーラーです。
全日本トラック協会(以後「全ト協」)がまとめたデータによると、大型免許や牽引免許を必要とするドライバーは、トラック運転手全体の平均年収より高いことが分かります。
それに加えて、危険物や毒物、高圧ガスを運ぶタンクローリードライバーは特別な資格を取得するため、資格手当も出る会社が多くあります。
よって、タンクローリードライバーは社会貢献度も高く、自分の頑張り次第で他のトラックドライバー以上の年収を稼げる職種だと言えます。
タンクローリードライバーの労働時間は、他のトラックドライバーと同じく、その日の配送スケジュールや道路状況によって変わってきます。
また、冬場に需要が高くなるLPガスや石油を運ぶタンクローリーは、繁忙期は残業時間が多くなります。
働き方改革の一環として2019年に改正された労働基準法では、トラックドライバーの労働時間のルールは以下の通りです。
ここで言う「拘束時間」には、休憩時間や荷待ち等の時間も含まれるので、朝の6時に仕事を開始した場合、おおよそ15時(9H拘束)~19時(13H拘束)頃に仕事が終えられることになります。
タンクローリードライバーの労働時間は短いとは言えませんが、他のトラックドライバーとくらべると積み下ろし作業がない分、肉体的な疲労は少ないと言えるでしょう。
タンクローリードライバーの1日の大まかな流れは、以下の通りです。
出社時間や退勤時間は会社によって変わってきますが、タンクローリードライバーは比較的早朝出勤が多い傾向にあります。
またタンクローリーで運ぶ液体や気体は、積み置きができない危険物であることが多いので、2、3日掛けて荷物を運ぶ長距離ドライバーのように、不規則な出退勤スケジュールにはなりにくいと言えます。
タンクローリードライバーの仕事のやりがい
食品や石油、LPガスなど、多くの人にとって無くてはならないものを運ぶタンクローリードライバーは、社会への貢献度がとても大きな仕事です。
また、運搬するものは危険物であることが多いので、資格や素質を持った、選ばれた人にしかできない仕事でもあります。
つまり、タンクローリーの運転手は人々の生活に役立つ物を運ぶ責任感とやりがいを感じられる仕事だと言えるでしょう。
タンクローリードライバーの年収
タンクローリーは一般的に、トラック本体とタンクが一体型になった大型免許が必要な大型車両、または牽引免許が必要なトレーラーです。
全日本トラック協会(以後「全ト協」)がまとめたデータによると、大型免許や牽引免許を必要とするドライバーは、トラック運転手全体の平均年収より高いことが分かります。
職種 月収 年収 トラック運転者平均 395,200円 4,742,400円 けん引運転者 435,100円 5,221,200円 大型運転者 419,400円 5,032,800円
参考:2019年度版トラック運送業の賃金・労働時間などの実態
それに加えて、危険物や毒物、高圧ガスを運ぶタンクローリードライバーは特別な資格を取得するため、資格手当も出る会社が多くあります。
よって、タンクローリードライバーは社会貢献度も高く、自分の頑張り次第で他のトラックドライバー以上の年収を稼げる職種だと言えます。
タンクローリードライバーの労働時間
タンクローリードライバーの労働時間は、他のトラックドライバーと同じく、その日の配送スケジュールや道路状況によって変わってきます。
また、冬場に需要が高くなるLPガスや石油を運ぶタンクローリーは、繁忙期は残業時間が多くなります。
働き方改革の一環として2019年に改正された労働基準法では、トラックドライバーの労働時間のルールは以下の通りです。
・拘束時間は1日原則13時間以内(最大16時間)
・拘束時間15時間越えは、1週間に2回以内
・運転時間は、2日平均で1日「9時間」以内
参考:国土交通省「トラックドライバーの労働時間等のルールの概要」
ここで言う「拘束時間」には、休憩時間や荷待ち等の時間も含まれるので、朝の6時に仕事を開始した場合、おおよそ15時(9H拘束)~19時(13H拘束)頃に仕事が終えられることになります。
タンクローリードライバーの労働時間は短いとは言えませんが、他のトラックドライバーとくらべると積み下ろし作業がない分、肉体的な疲労は少ないと言えるでしょう。
タンクローリードライバーの1日の流れ
タンクローリードライバーの1日の大まかな流れは、以下の通りです。
①点呼・アルコールチェック・車両点検
出社して健康状態の確認や、免許証や資格者証を携帯しているかの確認、法律に基づいたアルコールチェックや車両の日常点検を行います。
②出発・積み込み作業
1日のスケジュール確認後、油槽所や製油所などへ向かい、積み込み作業を行います。
③目的地まで運転
④目的地で荷下ろし作業
目的地であるガソリンスタンドや工場で、ルールに従い荷下ろし作業を行います。
※②~④までを1日に数回繰り返します。
⑤帰社・点検
安全運転で帰社し、アルコールチェックや車両点検、明日のスケジュール確認をして退社します。
出社して健康状態の確認や、免許証や資格者証を携帯しているかの確認、法律に基づいたアルコールチェックや車両の日常点検を行います。
②出発・積み込み作業
1日のスケジュール確認後、油槽所や製油所などへ向かい、積み込み作業を行います。
③目的地まで運転
④目的地で荷下ろし作業
目的地であるガソリンスタンドや工場で、ルールに従い荷下ろし作業を行います。
※②~④までを1日に数回繰り返します。
⑤帰社・点検
安全運転で帰社し、アルコールチェックや車両点検、明日のスケジュール確認をして退社します。
出社時間や退勤時間は会社によって変わってきますが、タンクローリードライバーは比較的早朝出勤が多い傾向にあります。
またタンクローリーで運ぶ液体や気体は、積み置きができない危険物であることが多いので、2、3日掛けて荷物を運ぶ長距離ドライバーのように、不規則な出退勤スケジュールにはなりにくいと言えます。
タンクローリードライバーに向いている人
それでは、トラックドライバーの中でもタンクローリードライバーに向いている人の特徴をあげていきます。
トラックドライバーは他の職業に比べて運転時間が長い仕事なので、車の運転が好きなことがドライバーになる条件として挙げられます。
また、大型車両やトレーラーをけん引するため、高度な運転技術も必要となる仕事です。
タンクローリーは石油や液化ガスなど、取り扱いがデリケートな物を運ぶことが多い車両です。
運搬中は安全運転を心掛け、ルールに従って業務を行える慎重な性格の人は、タンクローリードライバーの適性があると言えます。
タンクローリードライバーは、
など、特別な免許や資格が必要とされるトラックドライバーです。
資格の取得によって、就職先の選択肢の幅も、資格手当による年収アップも期待できるので、スキルを付けてマルチに活躍できるドライバーになりたい人にもピッタリの仕事です。
タンクローリーは、荷台の部分にタンクを搭載した特殊用途自動車です。
車両は主に液体や気体を運ぶために設計されており、タンクローリー車は大きく分けて3つに分類されます。
消防法で規定されている
などを運ぶローリー車です。
ガソリンなどの液体燃料を運ぶ際は消防法の規制を受けるため、「危険物取扱者」資格の取得が必要です。
などを運ぶタンクローリー車です。
食品輸送用はステンレス製のものが多く、セメントや小麦粉などの粉状の物を運ぶローリーは粉粒体運搬車ローリーと呼ばれています。
高圧ガスタンクローリーは、
などの社会生活や産業活動に欠かせない高圧ガスを運ぶタンクローリーです。
輸送には「高圧ガス移動監視者」の資格が必要です。
荷物を目的地まで運ぶのは貨物輸送と同じですが、タンクローリーでしか運べない特別なものを乗せる点が特徴として挙げられます。
特殊なものを運ぶため安全面や取り扱いに気を遣わなければなりませんが、その分
などの面から他のトラックドライバーより収入面が高いというメリットがあります。
タンクローリーも他のトラックと同じで、
の車両があります。
で運転が可能となっています。
普通免許や中型免許で運転できるタンクローリーもありますが、タンクローリー運転手を目指すのであれば、活躍の場と年収アップが期待できる大型免許の取得をおすすめします。
「大型自動車免許(以下、大型免許)」とは、下記に該当する四輪以上の車両を運転する際に必要な免許です。
大型免許は
に別れており、タンクローリードライバーは「大型一種免許」の取得が必要です。
大型免許は下記の条件を満たした人が取得できるようになっています。
などが条件となっています。
大型免許の取得方法は2パターンあります。
2つ目の一発試験で免許を取得する方法は、1回で合格すると費用も時間も節約できるメリットがあります。
しかし高度な運転技術が必要とされる大型免許の試験は難易度が高く、教習所に通うのが一般的です。
ここでは、自動車教習所で教習を受ける1つ目のパターンについて見ていきます。
なお、全ての自動車教習所で大型免許の教習を行っているわけでは無いので、ご注意ください。
教習所に通い大型免許を取得する場合、現在持っている免許の種類によって取得に必要な日数と費用が変わってきます。
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
普通免許証(MT)を持っている人は、30時間の技能教習と1時間の学科教習を受け、卒業検定に合格し、免許証の申請を行います。
合宿での免許取得も可能で、費用は30万円~、期間は最短で13日間で取得できるようになっています。
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
中型免許保持者も「合宿免許」で大型免許を取得できるようになっています。
一定期間に集中して効率よく教習を受けられるので、まとまった期間合宿に参加できる方は、費用と時間を節約できる合宿免許を検討されるとよいでしょう。
運転が好き、得意な人
トラックドライバーは他の職業に比べて運転時間が長い仕事なので、車の運転が好きなことがドライバーになる条件として挙げられます。
また、大型車両やトレーラーをけん引するため、高度な運転技術も必要となる仕事です。
慎重な性格の人
タンクローリーは石油や液化ガスなど、取り扱いがデリケートな物を運ぶことが多い車両です。
運搬中は安全運転を心掛け、ルールに従って業務を行える慎重な性格の人は、タンクローリードライバーの適性があると言えます。
資格を取得して年収を上げたい人
タンクローリードライバーは、
・大型免許
・けん引免許
・危険物取扱者資格
・けん引免許
・危険物取扱者資格
など、特別な免許や資格が必要とされるトラックドライバーです。
資格の取得によって、就職先の選択肢の幅も、資格手当による年収アップも期待できるので、スキルを付けてマルチに活躍できるドライバーになりたい人にもピッタリの仕事です。
タンクローリーの分類と運ぶもの
タンクローリーは、荷台の部分にタンクを搭載した特殊用途自動車です。
車両は主に液体や気体を運ぶために設計されており、タンクローリー車は大きく分けて3つに分類されます。
①危険物ローリー
消防法で規定されている
・石油
・劇物
・液化ガス
・劇物
・液化ガス
などを運ぶローリー車です。
ガソリンなどの液体燃料を運ぶ際は消防法の規制を受けるため、「危険物取扱者」資格の取得が必要です。
②非危険物ローリー
・食品
・飲料
・セメント
・飲料
・セメント
などを運ぶタンクローリー車です。
食品輸送用はステンレス製のものが多く、セメントや小麦粉などの粉状の物を運ぶローリーは粉粒体運搬車ローリーと呼ばれています。
③高圧ガスローリー
高圧ガスタンクローリーは、
・液化石油ガス
・液化天然ガス
・液化天然ガス
などの社会生活や産業活動に欠かせない高圧ガスを運ぶタンクローリーです。
輸送には「高圧ガス移動監視者」の資格が必要です。
荷物を目的地まで運ぶのは貨物輸送と同じですが、タンクローリーでしか運べない特別なものを乗せる点が特徴として挙げられます。
特殊なものを運ぶため安全面や取り扱いに気を遣わなければなりませんが、その分
・資格手当
・就職先の選択肢の幅
・希少性
・就職先の選択肢の幅
・希少性
などの面から他のトラックドライバーより収入面が高いというメリットがあります。
【免許①】タンクローリードライバーになるなら必須の「大型免許」
タンクローリーも他のトラックと同じで、
・小型
・中型
・大型
・中型
・大型
の車両があります。
・小型・・・「普通免許」または2017年に新設された「準中型免許」
・中型・・・・「準中型免許」または「中型免許」
・中型・・・・「準中型免許」または「中型免許」
で運転が可能となっています。
普通免許や中型免許で運転できるタンクローリーもありますが、タンクローリー運転手を目指すのであれば、活躍の場と年収アップが期待できる大型免許の取得をおすすめします。
大型免許とは
「大型自動車免許(以下、大型免許)」とは、下記に該当する四輪以上の車両を運転する際に必要な免許です。
・車両総重量11t以上
・最大積載量6.5t以上
・乗車定員30名以上
・最大積載量6.5t以上
・乗車定員30名以上
大型免許は
・大型一種免許・・・タンクローリーや大型トラックなどを運転できる
・大型二種免許・・・大型バスなど乗客を乗せて運転する
・大型二種免許・・・大型バスなど乗客を乗せて運転する
に別れており、タンクローリードライバーは「大型一種免許」の取得が必要です。
大型免許の取得条件
大型免許は下記の条件を満たした人が取得できるようになっています。
・免許取得時に満21歳以上である人
・普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得済みので、通算3年以上の運転歴がある人(免許停止処分を受けた期間は含まない)
・両目の視力が0.8以上、かつ、片目の視力はそれぞれ0.5以上であること
・信号機の色(赤・黄色・青)が識別できる
・聴力に問題ない
・普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得済みので、通算3年以上の運転歴がある人(免許停止処分を受けた期間は含まない)
・両目の視力が0.8以上、かつ、片目の視力はそれぞれ0.5以上であること
・信号機の色(赤・黄色・青)が識別できる
・聴力に問題ない
などが条件となっています。
大型免許の取得方法
大型免許の取得方法は2パターンあります。
①自動車教習所で教習を受けて技能卒業検定に合格するパターン。
②教習を受けずに運転免許試験を受ける、いわゆる「一発試験」に挑戦するパターンです。
②教習を受けずに運転免許試験を受ける、いわゆる「一発試験」に挑戦するパターンです。
2つ目の一発試験で免許を取得する方法は、1回で合格すると費用も時間も節約できるメリットがあります。
しかし高度な運転技術が必要とされる大型免許の試験は難易度が高く、教習所に通うのが一般的です。
ここでは、自動車教習所で教習を受ける1つ目のパターンについて見ていきます。
なお、全ての自動車教習所で大型免許の教習を行っているわけでは無いので、ご注意ください。
教習所に通い大型免許を取得する場合、現在持っている免許の種類によって取得に必要な日数と費用が変わってきます。
普通免許所有者
費用 | 必要日数 | |
---|---|---|
普通免許保持者(MT) | 300,000円~350,000円 | 15日~ (30Hの技能教習+学科教習) |
普通免許保持者(AT限定) | 350,000円~400,000円 | 20日~ (34Hの技能教習+学科教習) |
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
普通免許証(MT)を持っている人は、30時間の技能教習と1時間の学科教習を受け、卒業検定に合格し、免許証の申請を行います。
合宿での免許取得も可能で、費用は30万円~、期間は最短で13日間で取得できるようになっています。
準中型免許・中型免許所有者
費用 | 必要日数 | |
---|---|---|
準中型免許保持者 | 300,000円~ | 15日~ (23Hの技能教習) |
中型免許保持者 | 200,000円~ | 9日~ (14Hの技能教習) |
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
中型免許保持者も「合宿免許」で大型免許を取得できるようになっています。
一定期間に集中して効率よく教習を受けられるので、まとまった期間合宿に参加できる方は、費用と時間を節約できる合宿免許を検討されるとよいでしょう。
【免許②】タンクローリードライバーが取得すべき「牽引免許」
タンクローリーにはトレーラーを牽引(けんいん)するトレーラータイプの車両があり、この車両を運転する際には「牽引免許」の取得が必要です。
運転席と荷台を切り離せるタイプの、車両総重量750kg以上のトレーラーを運転する時に必要な免許で、
があります。
牽引免許は下記の条件を満たした人が取得可能です。
などが条件となっています。
※1 大型車両や牽引車両を運転する際に必要な立体感や遠近感を測定するテスト
牽引免許の取得方法は、大型免許と同じく
下記は、自動車教習所に通った場合の費用と必要日数の例です。
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
また大型免許と同じく合宿での免許取得も可能で、費用は12万円~、必要日数は最短で6日間ほどとなっています。
大型免許とけん引免許を同時に取得できる自動車教習所もあるので、費用やスケジュールを確認し、自分に必要な免許を取得してキャリアアップや年収アップに役立ててください。
牽引免許とは
運転席と荷台を切り離せるタイプの、車両総重量750kg以上のトレーラーを運転する時に必要な免許で、
・牽引免許・・・タンクローリーなどを運転できる
・牽引第二種免許・・・トレーラーバスなどでお客さんを乗せて運転する
・牽引第二種免許・・・トレーラーバスなどでお客さんを乗せて運転する
があります。
牽引免許の取得条件
牽引免許は下記の条件を満たした人が取得可能です。
・免許取得時に満18歳以上である人
・普通・準中型・中型・大型免許を保持している人
(保有免許区分と同じ牽引免許を取得することになるので、タンクローリードライバーを 目指すなら、大型免許を保持していることが望ましい。)
・両目の視力が0.8以上、かつ、片目の視力はそれぞれ0.5以上であること
・3度行う深視力測定で誤差が2cm以下であること※1
・信号機の色(赤・黄色・青)が識別できること
・聴力に問題ないこと
・普通・準中型・中型・大型免許を保持している人
(保有免許区分と同じ牽引免許を取得することになるので、タンクローリードライバーを 目指すなら、大型免許を保持していることが望ましい。)
・両目の視力が0.8以上、かつ、片目の視力はそれぞれ0.5以上であること
・3度行う深視力測定で誤差が2cm以下であること※1
・信号機の色(赤・黄色・青)が識別できること
・聴力に問題ないこと
などが条件となっています。
※1 大型車両や牽引車両を運転する際に必要な立体感や遠近感を測定するテスト
牽引免許の取得方法
牽引免許の取得方法は、大型免許と同じく
・自動車教習所で教習を受けるパターン
・教習を受けずに運転免許試験を受ける「一発試験」の2パターン
・教習を受けずに運転免許試験を受ける「一発試験」の2パターン
下記は、自動車教習所に通った場合の費用と必要日数の例です。
費用 | 必要日数 | |
---|---|---|
普通免許保持者 | 120,000円~150,000円 | 15日~ (12Hの技能教習) |
※費用や日数は目安です。具体的なスケジュールや費用は教習所にお問い合わせください。
また大型免許と同じく合宿での免許取得も可能で、費用は12万円~、必要日数は最短で6日間ほどとなっています。
大型免許とけん引免許を同時に取得できる自動車教習所もあるので、費用やスケジュールを確認し、自分に必要な免許を取得してキャリアアップや年収アップに役立ててください。
【資格①】タンクローリードライバーが取得しておきたい「危険物取扱者」資格
タンクローリードライバーになるのであれば、運ぶ物によって免許証以外にも取得しておきたい資格があります。
ガソリンなどを運ぶタンクローリーに乗る場合「危険物取扱者」資格の取得をしていると就職活動に有利に働きます。
危険物取扱者資格試験には、
の3種類があり、「乙種」はさらに第1類から第6類まであります。
タンクローリードライバーを目指す方は、ガソリン類の取り扱いができる「乙種第4類」以上を取得していると就職活動の際に有利となります。
危険物取扱者資格「乙種第4類」試験の概要は以下の通りです。
詳しくは、各都道府県の消防試験研究センターの情報を確認し、受験申請方法や開催日時などをご確認ください。
試験内容は法令や物理、化学、火災予防や消化の方法などの35問です。
出題範囲は広めですが、教材や勉強用のサイトも多く、20時間程度の勉強時間で合格可能なので、ぜひ挑戦してみてください。
「毒物劇物取扱責任者」とは、毒物又は劇物を取り扱う事業所に最低1人は専任で必要な責任者のことを指します。
毒物を運ぶタンクローリー運転手が必ず取得する必要はありませんが、就職活動の際にアピールできる上に資格手当などがでる職場もあるので、知識修得やキャリアアップのためにも持っておいて損はない資格です。
「毒物劇物取扱責任者」資格試験の概要は以下の通りです。
詳しくは、各都道府県の薬務課等にお問い合わせください。
「高圧ガス移動監視者」とは、タンクローリーで規定量以上の高圧ガスを運搬する際に必要となる資格です。
監視が必要な高圧ガスの種類と数量は以下の通りです。
「高圧ガス移動監視者」資格試験の概要は以下の通りです。
詳しくは、高圧ガス保安協会の情報を参考に、開催地や日程を確認してください。
高圧ガス移動監視者は国家資格ですが、2日間の講習をしっかり受講することで、高確率で合格できる資格です。
事業所によっては資格手当や支援がある所もあるので、必要な方は講習を受講し、高圧ガスを安全に運搬するための知識を身につけましょう。
タンクローリードライバーの仕事内容と仕事に必要な免許や資格を見ていきました。
まとめると、タンクローリードライバーは以下のようなことが言えます。
免許や資格に関しては以下の通りです。
資格に関しては必須ではありませんが、持っておくと就職活動に有利になり、仕事の幅も広がります。
資格手当や資格取得支援がある会社もあるので、就職活動時に確認し、必須免許と就職に有利な資格を取得して、タンクローリードライバーとしてのキャリアアップに役立てましょう。
ガソリンなどを運ぶタンクローリーに乗る場合「危険物取扱者」資格の取得をしていると就職活動に有利に働きます。
危険物取扱者の資格は3パターン
危険物取扱者資格試験には、
・甲種
・乙種
・丙種
・乙種
・丙種
の3種類があり、「乙種」はさらに第1類から第6類まであります。
危険物取扱者免状の種類
免状の種類 取扱いのできる危険物 甲種 全種類の危険物 乙
種第1類 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類 硝映 | 塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体 第2類 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体 第3類 カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質 第4類 ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体 第5類 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質 第6類 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体 丙種 ガソリン、灯油、軽油、重油など
参考:一般財団法人 消防試験研究センター
タンクローリードライバーを目指す方は、ガソリン類の取り扱いができる「乙種第4類」以上を取得していると就職活動の際に有利となります。
危険物取扱者資格「乙種第4類」の概要
危険物取扱者資格「乙種第4類」試験の概要は以下の通りです。
・受験資格… 誰でも可能
・試験手数料… 4,600円
・日程… 試験場ごとに異なる
・試験時間… 2時間30分
・試験の方法… 筆記試験(5肢択一式)
・試験手数料… 4,600円
・日程… 試験場ごとに異なる
・試験時間… 2時間30分
・試験の方法… 筆記試験(5肢択一式)
詳しくは、各都道府県の消防試験研究センターの情報を確認し、受験申請方法や開催日時などをご確認ください。
試験内容は法令や物理、化学、火災予防や消化の方法などの35問です。
出題範囲は広めですが、教材や勉強用のサイトも多く、20時間程度の勉強時間で合格可能なので、ぜひ挑戦してみてください。
【資格②】毒物を扱う事業所で働くなら「毒物劇物取扱責任者」資格
「毒物劇物取扱責任者」とは、毒物又は劇物を取り扱う事業所に最低1人は専任で必要な責任者のことを指します。
毒物を運ぶタンクローリー運転手が必ず取得する必要はありませんが、就職活動の際にアピールできる上に資格手当などがでる職場もあるので、知識修得やキャリアアップのためにも持っておいて損はない資格です。
「毒物劇物取扱責任者」資格の取得方法
「毒物劇物取扱責任者」資格試験の概要は以下の通りです。
・受験資格… 18歳以上であれば、学歴制限は無く誰でも受験可能
・試験手数料… 各都道府県により異なる
・日程… 年1回(各都道府県で実施)
・試験時間… 2時間
・試験の方法… 筆記試験(4肢択一式)・実地試験
・試験手数料… 各都道府県により異なる
・日程… 年1回(各都道府県で実施)
・試験時間… 2時間
・試験の方法… 筆記試験(4肢択一式)・実地試験
詳しくは、各都道府県の薬務課等にお問い合わせください。
【資格③】高圧ガスを運ぶタンクローリーに乗るのなら「高圧ガス移動監視者」
「高圧ガス移動監視者」とは、タンクローリーで規定量以上の高圧ガスを運搬する際に必要となる資格です。
監視が必要な高圧ガスの種類と数量は以下の通りです。
種類 | 監視が必要な高圧ガスの数量 |
---|---|
圧縮ガス | ・容積300㎥以上の可燃性ガス、酸素 ・容積100㎥以上の毒性ガス |
液化ガス | ・質量3000kg以上の可燃性ガス、LPガス、酸素 ・質量1000kg以上の毒性ガス ・圧縮水素スタンドの液化水素の貯槽に充てんする液化水素 |
特殊高圧ガス | 移動する数量の多少に関係なく必要 |
高圧ガス移動監視者資格の取得方法
「高圧ガス移動監視者」資格試験の概要は以下の通りです。
・受験資格… 誰でも受験可能
・試験手数料… 13,200円
・日程… 年4回(全国15カ所程度)
・講習時間… 2日(14時間)※試験は別日程
・試験の方法… 20問の筆記試験
・試験手数料… 13,200円
・日程… 年4回(全国15カ所程度)
・講習時間… 2日(14時間)※試験は別日程
・試験の方法… 20問の筆記試験
詳しくは、高圧ガス保安協会の情報を参考に、開催地や日程を確認してください。
高圧ガス移動監視者は国家資格ですが、2日間の講習をしっかり受講することで、高確率で合格できる資格です。
事業所によっては資格手当や支援がある所もあるので、必要な方は講習を受講し、高圧ガスを安全に運搬するための知識を身につけましょう。
タンクローリードライバーの仕事内容と免許や資格まとめ
タンクローリードライバーの仕事内容と仕事に必要な免許や資格を見ていきました。
まとめると、タンクローリードライバーは以下のようなことが言えます。
・特殊なものを運ぶ免許や資格、知識を持った人だけがなれる
・他のトラックドライバーよりも年収が高い傾向にある
・資格を取得してスキルアップや年収アップをしたい人に向いている
・他のトラックドライバーよりも年収が高い傾向にある
・資格を取得してスキルアップや年収アップをしたい人に向いている
免許や資格に関しては以下の通りです。
・必須免許は「大型免許」
・あると良い免許は「牽引免許」
・運ぶものによっては「危険物」「毒物劇物」「高圧ガス」の資格取得を検討
・あると良い免許は「牽引免許」
・運ぶものによっては「危険物」「毒物劇物」「高圧ガス」の資格取得を検討
資格に関しては必須ではありませんが、持っておくと就職活動に有利になり、仕事の幅も広がります。
資格手当や資格取得支援がある会社もあるので、就職活動時に確認し、必須免許と就職に有利な資格を取得して、タンクローリードライバーとしてのキャリアアップに役立てましょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗
運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。