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最終更新日:2021-11-08

ミキサー車を使う仕事の内容や必要な免許を解説

トラQ編集部
ミキサー車を使う仕事の内容や必要な免許を解説
ミキサー車を使った仕事に就きたいと考えた時、知っておくべき事がいくつかあります。

まずミキサー車とはどういった車なのかご存知でしょうか?

大きなドラムを回転させて走る姿はよく見かけますが、工事現場に必要な車、何かを運ぶ車などと何となく理解していても、どの様な車なのかすぐに答えられる方はあまりいないかもしれません。

ミキサー車はコンクリート工場で作られた、建築資材として欠かせない生コンクリートを工事現場に運ぶという重要な役割がある車です。

生コンクリートは、工場で製造された生の固まっていないコンクリートのことです。

ミキサー車は私達があまり知らない所で大活躍していて、様々な現場で必要な車なのです。

その為、運転や操作する人材も常に確保する必要があります。

ミキサー車を使った仕事を目指す為に、知っておくべきポイントはこの通りです。

・ミキサー車を使って、どの様な流れで仕事をするのか。
・ミキサー車を操作するのに必要な資格や、免許はあるのか
・免許の区分や、車両寸法等

この記事では、これらの要点などを中心に、わかりやすく解説していきます。

ミキサー車運転手の仕事内容とは

ミキサー車運転手の仕事内容とは
ミキサー運転手の主な仕事内容は、決められたルートを回り、工事現場や建設現場、道路やトンネル、橋などの土木現場にコンクリートを配達する事などが中心です。

生コンクリートは絶対に固まらない様に注意しなければなりません。高品質を保つ時間は90分間です。

できる限り短時間で現場に届ける為、綿密なスケジュール管理が必要です。

工場やビルなど、大型施設の建築でも、ミキサー車は活躍します。

小型ミキサー車主に一軒家の新築建設の基礎、外構や駐車場のコンクリート敷、ブロック塀の基礎、道路の穴埋め
大型ミキサー車マンションやビルの建設、建物の杭打ち、雨水工事、高速道路の建設、学校などの耐震補強などの大きな現場から、小型ミキサー車が向かうような小さな現場まで幅広く


日々どこかの場所で、このような工事や建築は行われているので、多くの場所で求められる車といっても過言ではありません。

また1日あたりの走行距離は40~50㎞で、長距離トラックやダンプカーなどと比較すると、運転時間は短くなります。

ミキサー車運転手の1日


ミキサー車の運転手の1日の業務内容をまとめました。

出社・呼気のアルコール反応チェック
・ミキサー車の安全点検
・その日のルート先の確認
生コンクリート工場へ出発・到着後、その日の数量や納入先を確認する
・コンクリートを積み込む
運搬決められた納入の時間に合わせて運搬する。綿密な準備の上、安全運転で
現場に到着納入先に到着後ドラムを操作し、生コンを排出する。だいたいの作業時間は、10分~1時間位
洗浄作業完了後、汚れた場所等を洗い、異物などを取り除いてチェックする
移動次の現場がある場合、目的地へ移動する
帰社1日の業務を終えたら、帰社する。翌日の仕事に備えて、車の点検や清掃をする


休日は基本的に日祝休みで、土曜日が休日の工場もあります。

女性でもできる仕事


生コンクリートの積み込みから、荷下ろしの作業まで、力仕事はありません

運転距離、時間が短い事と、ドラムを洗浄する作業の労力も少なくなります。

その為男性だけでなく、女性でも十分就業できる作業と言えます。

また狭い道路の現場に向かう事もある為、ある程度の運転技術は必要となります。

ミキサー車が女性に人気の理由


手積みがない…一般貨物の輸送ドライバーと違い、運ぶ物が生コンなので、機械の操作で自動的にできるため重い荷物の上げ下ろしがない
帰宅時間等が読みやすい…就業時間が決まっており、深夜早朝などの作業はほとんどないので、お子さんがいる人でも安心できる。また待ち時間や待機する時間も短いので残業時間も少ない
日祝がお休み…工場も現場も休みなので、学校の休みに合わせられる
急な休みに対応してもらいやすい…グループ作業の場合、他にもたくさん人がいるので、お子さんの体調不良などの急な休みにも対応してもらいやすい
・生コンクリートの注入作業は短時間で終わる場合が多いので、車内に滞在する時間が長い。その為、真夏でも配達中はクーラーが効いた涼しい車内で過ごせる

女性トラックドライバーの人数は現在約2万人で、トラックドライバーに占める女性比率は全体の2.4%と、決して高くはない数値ですが、大型免許を保有する女性は全国で13万4000人以上存在しています。

女性トラックドライバーの活動促進について、国土交通省も積極的な情報発信を行っています。

・配送先等に女性トイレがない
・男性ドライバーと女性ドライバーの間で給料の差がある

等、改善すべき課題はまだ残っています。

しかし、女性がトラック運転手として働きやすい環境の確保や改善といった取り組みが始まっているので、これからミキサー車の運転手として働きたいと考えている女性も、ぜひ就職活動に挑戦してみてはいかがでしょうか。

必要な資格や免許はあるの?

必要な資格や免許はあるの?
ミキサー車は、特殊な構造をしているので、特殊用途自動車(8ナンバー)に分類されています。また、通行が規制されている道路もあります。

その為、特別な資格が必要と思われるかもしれませんが、ミキサー車を運転するのに資格は必要ありません。

必要なミキサー車の車両区分に合った、運転免許があれば運転は可能なのです。

運転免許の区分とは


大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許(4つの免許区分)に5トン・8トン限定(2つの免許区分)を加えた、6つの免許区分があります。

4つの免許区分

免許の種類車種車両総重量最大積載量乗車定員受験資格
大型免許 大型自動車11トン以上6.5トン以上30人以上21歳以上
中型免許中型自動車7.5トン以上、11トン未満4.5トン以上、6.5トン未満11人以上、30人未満20歳以上
準中型免許準中型自動車3.5トン以上、7.5トン未満2トン以上、4.5トン未満11人未満18歳以上
普通免許普通自動車3.5トン未満2トン未満11人未満18歳以上

準中型免許は若年層の雇用促進の目的で設けられた免許区分です。運転できるのは、2トントラックか一部の4トントラックです。

4トントラックを運転する際は、車両総重量に注意が必要となります。

2つの免許区分(新規取得は不可)

免許の種類車両総重量最大積載量5トン限定
5トン限定5トン未満3トン未満
8トン限定8トン未満5トン未満

平成19年6月2日に中型免許が新設されたことにより、平成19年6月1日までに取得した普通免許は自動的に中型免許(8トン限定)に移行しました。

この2つの免許区分に関しては、法改正に伴う経過処置の為、新規の取得はできません

現在、普通免許所持者が上位免許を取得する場合は、準中型、中型、大型免許を新たな取得が必要です。

ミキサー車には小型のものから、大型車などもあります。自分が保有する運転免許によって、最大積載量が異なるので、その点は注意しなければいけません。

この保有免許については、求人に応募する際に気になる点ですが、普通免許を所持していると応募可能な企業や、中型、大型免許の取得する際にかかる費用を補助してくれる企業も増えています。

また、補助として8トン、5トンの限定解除を行える企業もあります。企業によって違うので、応募する際は事前に確認しましょう。

車両寸法と道路幅


様々な大きさがあるミキサー車の場合、車両寸法によって、旋回に必要な道路幅が異なります。

事前に道路幅を確認するなど、安全で余裕のもった運転をする為には必要な作業です。

特殊車両のミキサー車には、一般的なトラックが通行可能な道路でも、通行できないケースがあります。

その為、旋回軌跡図という、車両寸法データと共にハンドルを目一杯に切った状態で旋回する際に要する、寸法を記載した図が存在します。

しかし、この軌跡図はあくまでも回転できる最小限の数値を算出しています。そのため、実際には余裕をもって運転をしなければならないのです。

ミキサー車のサイズと車両寸法の目安

最大積載量全長全幅全高
11トン9m前後2.4m前後3.7m前後
10トン7.9m前後2.4m前後3.7m前後
7~8トン6.4m前後2.3m前後3.3m前後
5~6トン6.4m前後2.2m前後3.2m前後
4トン5.8m前後2.1m前後3m前後
2~3トン5m前後1.8m前後2.7m前後

ミキサー車が運ぶ生コンクリートは、積載容量によって表されていますが、道路交通法では積載重量での規制が行われている点に注意しなければいけません。

生コンはセメント、砂、砂利、水などを混ぜて作っているので、非常に比重の高い積荷です。比重が高いので、最大積載量に対する積載可能容積が多くないのです。

生コンクリートは、現場によって原材料の比率が変わるので、1㎥当たりの重量が同じではありません。

最大積載量別に区分されたミキサー車の積載容積

11トン車5.0㎥
10トン車約4.0~4.4㎥
7~8トン車約2.8~2㎥
5~6トン車約2.1~2.4㎥
4トン車約1.6㎥
2~3トン車約0.8~1.3㎥


ミキサー車の構造


ホッパ…車両後部上にある生コンクリートの投入口。大口径になっていて、工場で作られた生コンはここから投入される。異物混入などを防ぎ、品質確保のため、輸送時には専用のカバーをかけて運搬されるのが一般的
ドラム…ミキサー車の肝となる部分。円筒状の容器。ドラム内部の螺旋型のプレートで生コンクリートを攪拌しながら、骨材(砂や砂利)と水が分離しないよう、生コンの品質を保つ。生コンを積む時は車両全面から見て、時計回りに回転させて、下ろす時はその逆に回転させる
シュート…生コンクリートを流し込む為の樋(とい)。上下左右に動く。大型車の場合はレバーやスイッチ操作で、作業者の負担を軽減する
水タンク…生コンの荷下ろし完了後、ホッパ、ドラム。シュートを洗浄するための水を貯蔵するタンク。家庭用バスタブと同じくらいのサイズが多く、200リットル程度が主流

ドラムの操作


生コンクリートを積んでいる、ミキシングドラム部分の操作に必要な資格や免許は存在しません

車両区分の運転資格を満たす免許を保有することによって、操作が可能です。

操作方法によっては、誤ってコンクリートを排出してしまう為、しっかり確認して行う必要があります。
その方法さえ理解できていると就業は可能です。

一般的なミキサー車の操作方法


レバーを操作する事でドラムを回転させ、攪拌します。

レバーを前方に倒して攪拌(レバーに物が当たらない様に注意)
    ↓
中央に戻すと停止、手前に倒すと逆回転(1段階でゆっくり回転、2段階で急速回転)
    ↓
シュートを上下左右に動かして、生コンクリートを排出する(自動で操作できる場合も)
    ↓
排出作業後、水ポンプでドラムやシュートについたコンクリートを洗い流す

・毎回洗い流しますが、コンクリートは残ってしまいます。その為、半年に1回程度は、コンクリートをまとめて剥がす、はつりと呼ばれる作業を行う必要があります。
・車にはかかせないタイヤのチェックも必要です。場合によってはタイヤ交換も行います。

ミキサー車運転手に求められる事

ミキサー車運転手に求められる事
他のトラックドライバーに比べると、ミキサー車運転手の仕事は比較的楽に思われます。

仕事上で、求められる事は何でしょうか?

運転免許
当然ですが、運転免許証が必要です。

小型ミキサー車の場合、普通免許でも可能な事も多いですが、大型車も多い為、大型免許を持つことによって、基本的な仕事内容は同じなので、尚就職に有利となるでしょう

運転技術
スピードを出さない事はもちろん、狭い道路を通らなければならなかったり、現場でバック走行や、急こう配で作業をしたり、と想像以上に高い運転技術が求められる場合もあります。

バックカメラは装着できないため、ミラーで後輪の位置を確認して、車の軌道を把握します。

総重量が重い事と、フルに積載している時は重心もあがります。

その為、横転の危険性が上がるので急ハンドルは禁物です。また、急ブレーキをかけても簡単には止まれません。

また、道路の状態や交通渋滞、道路網に通じていると、スムーズに現場にたどり着ける為、情報収集能力も必要です。

コミュニケーション能力
その日のルートや配車タイミングなど、現場とのやり取りを、無線で頻繁に行います。

数時間で固まり始めてしまう生コンの運搬は時間との勝負なので、グループで現場に向かう場合は特に蜜な連絡が必要です。

その時の状況を確認し、的確に判断する必要がある為、コミュニケーション能力も求められます。

ミキサー車運転手の収入は?

ミキサー車運転手の収入は?
ミキサー車は他の種類のトラックドライバーよりも移動距離が短く、実労働時間の割には年収が高いので、人気があります。

平均年収は、300万~400万円です。

地方では平均月給は手取りおよそ20万円ですが、都市部では30万円を超えるなど、全く同じ条件でも働く地域によって、100万円以上もの年収の差が生じます。

また、繁忙期は残業も多く発生する為、残業代が支給されたら年収500万円前後になる事もあるのです。

それから勤続年数が長くなると、メンテナンスの作業もできるようになる為、年収がアップしますし、大型免許を取得すれば更に昇給します。

雇用形態も多様で、

・正社員
・アルバイト・パート
・業務委託
・日雇い勤務

など自分の働きやすい形態を選びやすい職種です。

また正社員の場合、会社によっては、福利厚生はもちろん、

・資格取得の支援
・無事故手当
・洗車手当

など各種手当が設けられています。

車種別平均年収


雇用形態や経験年数が同じでも、ミキサー車のサイズごとに年収に違いがあります。
(以下正社員、年収はボーナス込みの場合)

車種年収月収
小型トラック 390万円前後およそ30万円
中型トラック400万円前後およそ30万円
大型トラック440万円前後およそ35万円

また年代によっても、平均年収が変わります。

トラック運転手の年齢別平均年収

年齢普通~小型免許大型免許
25~29歳389万円408万円
30~34歳414万円 439万円
35~39歳454万円454万円
40~44歳439万円476万円
45~49歳451万円 481万円
50~54歳434万円471万円
55~59歳410万円456万円


トラックドライバーの求人サイト

ミキサー車を使った仕事に就きたい方におすすめの、トラックドライバー専門の求人サイトです。

一般的な求人サイトとは違い、トラックの種類や運ぶ荷物の種類などから検索できるようになっています。



ミキサー車を使う仕事内容や、必要な免許のまとめ


最後にもう一度、ミキサー車を使う仕事内容や、必要な免許についてまとめていきます。

・ミキサー車は、生コンクリート工場から、様々な工事現場、建設現場に、生コンクリートを運ぶ車。運ぶ現場は、ミキサー車の大きさによって変わります。
・ミキサー車を運転したり、ドラム部分を操作したりするのに特別な資格はいらない。しかし、取得している免許の種類によって、運転できるミキサー車の大きさが変わります。

ミキサー車を使った仕事は、運搬する物が生コンクリートの為、一般貨物を運搬するトラックと違い、荷下ろし作業もなく、体力的な負担が少ないので、女性でも安心して働ける仕事です。

狭い道路を走ったりするため、運転技術は必要になりますが、経験を積んでゆく事で上達していきます。

また道路状況などを事前に調べる事によって、ある程度の不安は解消されます。

免許については、例え普通免許しか取得していなくても、運転できる小型ミキサー車もありますし、企業によっては上位免許取得の為の補助をしてくれる場合があります。

仕事内容の割に、給与が高いとも言われるミキサー車運転手なので、就職を考えている方は是非チャレンジしてみて下さい。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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