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最終更新日:2022-03-18

中型トラックドライバーの仕事内容ときついところ・楽しいところは?

トラQ編集部
中型トラックドライバーの仕事内容ときついところ・楽しいところは?
「トラックの仕事をしたいけれど、大型トラックの仕事をするのは体力的にも時間的にも厳しそう」

このような人には、中型トラックドライバーをおすすめします。

中型トラックドライバーの仕事は、代表的なものに下記のものが挙げられます。

・宅配ドライバー
・引っ越しドライバー
・近距離~中距離ドライバー


これらはどれも、次のようなメリットがあります。

・大型トラックに比べて荷物の量が少ない
・基本的に毎日家に帰れる
・人間関係のストレスが少ない
・自分のペースで働けて、休憩時間も自分で決められる


拘束時間が長いなどのきつい点はありますが、それ以上にメリットもたくさん存在するため、運転が好きな人であれば、仕事を探す上での候補の1つに入れておきたい職業です。

ここでは、中型トラックドライバーの仕事内容、きついところ・楽しいところなどを解説するので、ぜひ目を通してみてください。

それでは、中型トラックドライバーをめぐる社会的背景からご紹介します。



【目次】
1.中型トラックドライバーは慢性的な人不足
2.中型トラックドライバーは女性にもおすすめ
3.中型免許について
4.中型トラックの種類
 4-1.バンボディ
 4-2.ウィングトラック
 4-3.平ボディ
 4-4.ユニック車
5.中型トラックドライバーの仕事内容
 5-1.宅配ドライバー
 5-2.引っ越しドライバー
 5-3.近距離~中距離ドライバー
6.中型トラックドライバーの仕事のきついところ
 6-1.荷物の積み降ろし
 6-2.長時間の運転がある
 6-3.体調を崩すことがある
7.中型トラックドライバーの楽しいところ
 7-1.基本的に毎日家に帰れる
 7-2.運転中はひとりの時間を過ごせる
 7-3.人間関係のストレスが少ない
 7-4.自分のペースで働ける
 7-5.やりがいを感じる
8.中型トラック以外の中型免許で乗れる車
 8-1.コンクリートミキサー車
 8-2.ゴミ収集車(パッカー車)
 8-3.マイクロバス(別途二種免許が必要)
9.中型トラックドライバーの仕事内容 まとめ



中型トラックドライバーは慢性的な人不足


近年、オンラインショッピングやフリマアプリの市場がにぎわいを見せていますが、その一方で、その荷物を届けるドライバーが不足しています。

「荷物はあるのに、それを運ぶドライバーがいない」というのが現状であるため、比較的に就職先を見つけやすい状況となっています。

ひと昔ほど前は、今よりもドライバーという仕事は過酷でしたが、ドライバーの離職を防ぐため、現在は労働環境も整ってきています

有休はもちろん、育休の取得に積極的な会社も見られます。

また、中型トラックドライバーは近距離~中距離間の配送を担当し、積み降ろしをする荷物の量も大型トラックに比べて少ないのが一般的です。

積む荷物によっては体力をほとんど使わない場合もあるので、「トラックに乗って仕事をしたいけれど、大型トラックは自信がない」という人にもおすすめです。

では体力的には不安を覚える女性が中型トラックドライバーをするのは、どうなのでしょうか?

中型トラックドライバーは女性にもおすすめ


トラック業界で働く女性の割合は3.4%と非常に低いのが現状です。

しかし、女性が働きやすい環境の整備が進められつつあるため、今後、女性ドライバーのいっそうの活躍が期待できるでしょう。

国もトラックに乗る女性を「トラガール」と呼び、女性トラックドライバーの業界進出を後押ししています。

また、中型トラックは大型トラックよりも積む荷物が少ないため、体力的な負担が少ないこともメリットの1つに挙げられます。

フォークリフトやクレーンなどを使って積み降ろしをする場合は、さらに体力的に楽だといえます。

まだまだ業界全体として拘束時間が長い傾向にありますが、それでも近距離~中距離のトラックドライバーであれば、基本的に毎日家に帰れるようになっており、子どもがまだ小さいという人にも向いているでしょう。

では中型トラックドライバーとして働くためには、どのような免許が必要なのでしょうか?

中型免許について

中型免許について
続いて、中型免許はどういったものなのかをおさらいしましょう。

中型免許は平成19年6月2日の法改正によって、新しくできた免許です。

「車両総重量が7.5トン以上11トン未満」「最大積載量が4.5トン以上6.5トン未満」「乗車定員11人以上29人以下」の車を運転できます。

【参照】全日本トラック協会 ~平成19年6月2日から施行~中型免許制度に関するQ&A

もちろん、それよりも積載量が少ない2トン、3トン、4トントラックの運転も可能です。

免許を取得できるのは、普通自動車免許もしくは準中型自動車免許を取得してから2年以上経っている、20歳以上の人です。

ただし、免許停止の期間があった場合、その期間分が2年に上乗せになるので注意してください。

法改正以前に普通免許を取得した人は、以前の運転可能範囲がそのまま適用されるので、普通免許で「車両重量8トン未満」の車を運転できることになります。

では中型とはどのようなトラックを指すのでしょうか?

中型トラックの種類


ひとくちに中型トラックと言っても、さまざまな種類のトラックがあります。代表的なものを、1つずつ見ていきましょう。

バンボディ


アルミでできた箱型の荷台が付いた「バンボディ」は、雨に濡らせない荷物を運ぶのに重宝するトラックです。

気密性が高く、水や埃の侵入を防げる構造になっているというメリットもあります。

ウィングトラック


「ウィングトラック」は、鳥の羽のように左右の扉が大きく開くトラックです。

雨風を防げるのはもちろん、フォークリフトと相性がよく、効率よく荷物の積み降ろしができるため、宅配便や引っ越しの荷物を運ぶときにも活躍します。

【関連ページ】 ウイング車とはドライバーの仕事内容や運転可能な免許もご紹介

平ボディ


「平ボディ」は荷台がフラットな、スタンダードなタイプのトラックです。

屋根がないため、積み降ろしがスムーズで、乗せられる範囲内であれば自由に荷物を乗せられるのが大きなメリットとなります。

家具、木材、看板、発電機、鉄骨など、さまざまな荷物に対応できます。

ただし、雨に弱いという弱点があるので、紙類などの配送には向いていません。

【関連ページ】 平ボディ車・幌車のドライバーの仕事と必要な免許を徹底解説

ユニック車


クレーンの機能が付いた「ユニック車」は、建設現場で活躍する車です。

付いているクレーンでコンクリートや鉄、木材といった重い荷物を持ち上げられますが、あまりにも重いとタイヤを傷めるので、注意が必要です。

それでは中型トラックドライバーが携わる仕事にはどのようなものがあるでしょうか?

【関連ページ】 ユニック車とは車両の特徴やドライバーとして必要な免許について

中型トラックドライバーの仕事内容

中型トラックドライバーの仕事内容
中型トラックドライバーは、倉庫や工場、物流センターから、地元企業、スーパー、コンビニ、飲食店、ドラッグストアなどの運送業務を担当することが一般的です。

その小回りの良さを生かして、住宅街の個人宅への配送を行うこともあります。

次の項目から、代表的な「宅配ドライバー」「引っ越しドライバー」「近距離~中距離ドライバー」に分けてご紹介します。

宅配ドライバー


オンラインショッピングのニーズが高まり続ける中、特に人材不足が深刻なのが「宅配ドライバー」です。

2020年4月には非常事態宣言が発令されたこともあり、ヤマト運輸の宅配件数が過去最高の1億5600万円に達したというデータもあります。

宅配ドライバーは原則として、30kg以下の荷物を1個単位で個人宅に運んでいく仕事です。

クリスマスや年度末など、繁忙期が1年を通して多いのですが、個人とふれあう機会が多いことから「ありがとう!」と直接お礼を言われることもしばしばあり、モチベーションが保たれるという側面もあります。

そのため、人とのふれあいが好きな人におすすめです。

平均年収は、下記のとおりです。

平均年収:381.6万円
平均月給:29.4万円
平均時給:1000~1500円


引っ越しドライバー


引っ越しドライバーは、依頼人の荷物を引っ越し先に届ける仕事です。家具、家電、貴重品、割れものも扱うため、スピーディーかつ丁寧にものを扱える人が向いています。

また、依頼人の荷物を運ぶため、常に慎重な運転が求められます。

最近では、ひとり暮らしの女性向けに、女性スタッフがすべて担当する引っ越しサービスもあるので、そのようなサービスを行う会社にとては、女性ドライバーがより重宝されるでしょう。

平均年収は、下記のとおりです。

平均年収:324~440万円
平均月給:27~37万円
平均時給:800~1200円
平均日給:8000~12000円


近距離~中距離ドライバー


近郊の地元企業やスーパー、飲食店、ドラッグストアなどに荷物を届ける「近距離~中距離ドライバー」も、さらに需要が高まっています。

運ぶものは多岐にわたり、たとえば、食品、飲料、雑貨、雑誌、家電、精密機器、家具などが挙げられます。

平均年収は、下記のとおりです。

平均年収:男性407万円、女性361万円
平均月給:男性31万円(歩合15万円)、女性27万円(歩合11万円)
平均時給:1500円
平均日給:9500~18000


それでは、中型トラックドライバーの仕事にはデメリットがあるのでしょうか?

中型トラックドライバーの仕事のきついところ

中型トラックドライバーの仕事のきついところ
ここからは、中型トラックドライバーの仕事のきついところについてご紹介します。

荷物の積み降ろし


ここまでも少しふれてきましたが、トラックドライバーの仕事内容は運転だけではありません。運ぶ荷物の積み降ろしという作業も発生します。

この積み降ろしをドライバーが自分の手で行うのか、フォークリフトやクレーンなどの機械で行うかによって、体力的な負担が大きく変わってきます。

自分の手で積み降ろしをする場合、荷物のかたちも積みやすさに関わってきます。

すべて同じ内容で同じ段ボールに入っているのであれば、スムーズに積めるのですが、家具のようにかたちがバラバラであれば、何も考えずに積み込んでしまうと「あと1個がどうしても乗らない」といったことも起こり得ます。

そのため、積み込みの順番、段取りはかなり重要なのです。

また、積み降ろしを待っている時間が、場合によっては長時間に及ぶことがあります。

長時間の運転がある


ドライバーをめざす人は運転が好きなことが大前提ですが、それでも、常に時間を気にしながら長時間の運転を続けるのは、精神的にもきついものです。

特に、思いがけない渋滞に巻き込まれた時などは、かなりイライラが募ってしまうでしょう。最近問題になっている「あおり運転」の被害を受ける時もあります。

そんな時も、事故やトラブルを避けるために、ドライバーは冷静な運転を求められるので、カッとして危険な運転をしないように気を付けましょう。

【関連ページ】 中型トラックの運転で心がけるコツは?

体調を崩すことがある


ドライバーは体力勝負の側面もありますが、その一方で重い荷物を自分で積み降ろしする必要があるなど、時々体を傷めてしまうような環境に置かれています。

また、ドライバーは不規則な生活に加えて、外食をする機会が増え、運転中は口が寂しくてついお菓子を食べ過ぎてしまうことが多いので、生活習慣病になりやすいという指摘もあります。

体調を崩してしまうと、それ自体が生活の質を下げてしまうのはもちろん、ドライバーとしての仕事をすることもつらくなってしまうので、注意しましょう。

万が一体調を崩してドライバーを続けることが難しくなった場合、倉庫内作業や、資格を取って配車業務にあたるという選択肢もあります。

中型トラックドライバーの楽しいところ


中型トラックドライバーのきついところばかりをご紹介しましたが、もちろん楽しいところもあります。次の項目からご紹介します。

基本的に毎日家に帰れる


中型トラックは近距離~中距離で配送を行うことが一般的で、宿泊を伴う長距離配送を行うことば稀なので、基本的に毎日帰宅できる場合が多いです。

大型トラックの場合、大雪や台風などで帰って来られないこともありますが、中型トラックではそういった不安も基本的にありません。

万が一動きが取れなくなった場合でも、4トン車以上であれば、横になって休めるスペースも付いているので安心です。

【関連ページ】 中型免許でできるトラック運転手の仕事は家庭とも両立ができる?

運転中はひとりの時間を過ごせる


運転中は基本的にひとりの時間です。そのため、好きな音楽を聴きながら、リラックスして過ごせるのも魅力です。

またトラックは、運転席が一般車よりも目線が高いので、眺める景色がきれいなのもポイントです。運転が好きな人は、一般車とは違った雰囲気で運転を楽しめるでしょう。

人間関係のストレスが少ない


トラックドライバーは1人で作業を進めることが多いので、人間関係でのストレスを感じる場面が少ないのもポイントです。

倉庫担当者や配送先の担当者と接する機会があるので、最低限のコミュニケーション能力は必要ですが、煩雑なやりとりは必要ないので、人間関係に悩むことは少ないと言って良いでしょう。

自分のペースで働ける


基本的に自分のペースで働けるのも、トラックドライバーの仕事に就くメリットの1つです。

配送スケジュールを気にして動く必要はありますが、休憩するペースも自分で決められるのは、高ポイントです。

また、大型トラックは休憩場所に困ることがありますが、中型トラックはコンビニなどにも停めやすい大きさなので、あまり不自由に感じることはないでしょう。

やりがいを感じる


コロナ禍でエッセンシャルワーカーという言葉をよく耳にするようになりましたが、トラックドライバーはとても社会的意義の高い仕事です。

届け先から「ありがとう!」とお礼を言われたり、自分が運んだ荷物が誰かの助けになっているのを目にしたりすると、大きなやりがいを実感できるでしょう。

中型トラック以外の中型免許で乗れる車

中型トラック以外の中型免許で乗れる車
トラックではありませんが、中型免許では下記のような車も運転できます。知識として知っておくと、仕事の幅が広がるでしょう。

コンクリートミキサー車


回転する「ドラム」の中に生コンクリートを入れて、固まらないように攪拌(かくはん)しながら運ぶのが、コンクリートミキサー車です。

特種用途自動車の分類に入りますが、それぞれの大きさに応じた免許だけで運転が可能。つまり、小型~中型のコンクリートミキサー車であれば、中型免許で運転できるのです。

大型のコンクリートミキサー車が多いのですが、道路幅が狭いケースなどでは、小型~中型のコンクリートミキサー車が活躍します。

ゴミ収集車(パッカー車)


ゴミ収集車(パッカー車)も特殊車両ですが、大きさに応じた免許だけで運転できるようになっています。ゴミ収集車のサイズは、家庭ゴミは2トン、事業ゴミは4トンであることが一般的です。

ゴミ収集車にもいろいろな種類があります。

代表的なものに、それほど硬くない家庭の一般ゴミを主に回収するのが「回転式」、家具、電化製品、自転車なども強力なプレスで圧縮できる「プレス式」、圧縮する力が弱いものの汚水が飛びにくいというメリットがある「ロータリー式」が挙げられます。

いずれのタイプでも、作業中に巻き込まれてしまうと大けがにつながるので、常に注意しながら作業にあたる必要があります。

マイクロバス(別途二種免許が必要)


別途二種免許が必要になりますが、マイクロバスの運転も可能です。

幼稚園や保育園、福祉施設、旅館やホテル、スポーツジム、ゴルフ場、ショッピングモールなど、マイクロバスを使った送迎を行っているところは数多くあるので、自分に合った職場を見つけやすいでしょう。

中型トラックドライバーの仕事内容 まとめ


中型トラックドライバーの仕事は多岐にわたりますが、代表的なのは下記の3つです。

・宅配ドライバー
・引っ越しドライバー
・近距離~中距離ドライバー


ここまで見てきたように、これらには次のようなメリットがあります。

・大型トラックに比べて荷物の量が少ない
・基本的に毎日家に帰れる
・自分のペースで働けて、人間関係のストレスが少ない


そのため、「大型トラックドライバーは体力的・時間的に厳しいけれど、トラックの仕事には興味がある」という人にもおすすめです。

中型トラックに乗った経験があれば、大型トラックへのステップアップも比較的かんたんにできるので、今後「大型トラックにも乗ってみたい!」と思ったときもチャレンジしやすいのもポイントです。

運転が好きだという人は、ぜひ仕事を選ぶ上の選択肢の1つにしてください。

この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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