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最終更新日:2021-10-31

中型免許でできるトラック運転手の仕事は家庭とも両立ができる?

トラQ編集部
中型免許でできるトラック運転手の仕事は家庭とも両立ができる?
運転が好きな人や、すでに小型トラックで仕事をしている人の中には、「中型免許を取って、その資格を生かした働き方をしたい」と感じている人も多いのではないでしょうか。

中型免許があれば乗れる車が増えるので、その分、働き方の幅も広がります。

中型免許を生かして働くと、たとえば下記のようなメリットがあります。
・宅配ドライバー、引っ越しドライバー、中型トラックドライバーなど、トラックを使った幅広い仕事に就ける
・近距離~中距離が多いので、基本的に毎日家に帰れる


逆にデメリットとしては、このような点が挙げられます。
・拘束時間が長い
・年齢を重ねると積み下ろしがキツく感じる


ここでは、このような中型免許を生かした仕事のメリット・デメリットを詳しく解説します。

また、中型免許で乗れる車についてなどもご紹介しますので、中型免許を生かした仕事をしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。



【目次】
1.中型免許で乗れる車は?
2.中型免許でできる仕事は?
 2-1.宅配ドライバー
 2-2.引っ越しドライバー
 2-3.中型トラックドライバー
3.中型免許で運転できるトラック
 3-1.平ボディ車
 3-2.ユニック車
 3-3.バンボディ車
 3-4.ウィング車
 3-5.パワーゲート車
 3-6.保冷車、通風車、冷蔵車、冷凍車
 3-7.タンクローリー
4.中型トラックは女性にもおすすめ
5.中型免許でできるドライバーの平均年収
 5-1.宅配ドライバーの平均年収
 5-2.引っ越しドライバーの平均年収
 5-3.中型トラックドライバーの平均年収
6.中型トラックの仕事が向いている人
 6-1.運転が好きで安全運転ができる人
 6-2.体調管理ができる人
 6-3.体力に自信がある人
 6-4.責任感のある人
 6-5.最低限のコミュニケーションスキルがある人
7.中型免許でできる仕事のメリット
 7-1.1人の時間が多い(中型トラックドライバー、宅配ドライバー)
 7-2.普段は行かないようなところに行ける
 7-3.小型トラックよりも乗り心地が良い
 7-4.大型トラックに比べて荷物の量が少ない
 7-5.大型トラックの練習になる
8.中型免許でできる仕事のデメリット
 8-1.拘束時間が長い
 8-2.体調を壊したり年を取ったりすると仕事がキツくなる
9.中型免許でできるトラック運転手の仕事のまとめ



中型免許で乗れる車は?


中型免許を持っていると、車両総重量7.5t~11t未満、最大積載量4.5t~6.5t未満のトラックを使った仕事が可能です。

もちろん、それより積載量が少ない、たとえば2t、3t、4tトラックなどの運転もできてしまいます。

また、平成19年までに普通免許を取得した人は、免許に「中型車は中型車(8t)に限る」と書かれているはずです。

こう書かれている場合は、総重量が8tまでは、すでに取得している普通免許で運転が可能なのです。

ただし、11tまで乗れるようにするには、運転免許試験場で試験に合格して「限定解除」しないといけません。

これには、以前は普通免許で中型~大型トラックに乗れていましたが、事故が多かったために中型免許が新設されたという背景があります。

また、平成29年には、普通免許と中型免許の間に位置する「準中型免許」が新設されました。車両総重量7.5t未満、最大積載量4.5t未満のトラックを運転できる免許です。

中型免許でできる仕事は?

中型免許でできる仕事は?
続いて、中型免許でできる仕事を見ていきましょう。

宅配ドライバー


オンラインショッピングの利用が増えていることから、ますます宅配ドライバーの需要が増えています。

乗るのは、住宅街などの狭い道も通れる2~3tトラックが主流です。2t、3tトラックは準中型免許でも乗れるので、比較的ハードルが低いのが特徴です。

クリスマス、お正月、お中元、年度末などは、お祝いやプレゼントのやり取りをする時期が繁忙期になるので、他のトラックドライバーの仕事に比べて、いそがしい時期が多い傾向にあります。

しかし、個人宅をまわるので、「ご苦労さま!」「ありがとう!」といった声かけをしてもらえる機会が多く、モチベーションがアップする場面が多いのも嬉しいですよね。

引っ越しドライバー


引っ越し会社で使っているトラックの多くは、4tトラックです。そのため、中型免許を持っていると、引っ越し会社への就職も有利です。

他のトラックドライバーの仕事と違って、場合によっては梱包から作業がスタートするのが大きな特徴です。食器などの割れやすいものから、大型家電、大型家具、貴重品まで家財道具を一式運ぶので、物を丁寧に扱える人が向いています。

中型トラックドライバー


中型免許があれば、地元企業やスーパー、飲食店などに荷物を届ける近距離~中距離、場合によっては長距離の中型トラックドライバーの仕事にも就く際にも有利です。

中型トラックドライバーが配達する物


中型トラックドライバーが運ぶものは幅広く、たとえば下記のようなものがあります。

・食品
・飲料
・雑貨
・紙(雑誌など)
・家電
・精密機器
・家具


荷物の積み入れ先、降ろし先


代表的な荷物の積み入れ先、降ろし先は下記のとおりです。

・物流センターから工場、スーパー、飲食店、コンビニなどへ
・物流センターから別の物流センターへ
・工場から別の工場へ


宅配ドライバーや引っ越しドライバーと違って、基本BtoBなのが特徴です。

中型免許で運転できるトラック


中型免許で運転できるトラックについても見ていきましょう。

平ボディ車


荷台に屋根や壁のないトラックが「平ボディ」と呼ばれるもの。家具、木材、資材、足場の部品、看板、発電機、鉄骨など、小さいものから大きなものまでさまざまな荷物を載せられる、汎用性の高いトラックです。

雨が降ったらカバーをかぶせられるようになっていますが、構造上、紙類などの雨に濡れてはいけない物には向いていません。

ユニック車


荷台に小型クレーンを装備しているトラックを「ユニック車」と呼んでいます。コンクリートや鉄など、人の力では持てない重たい荷物を簡単に上げ下げできるのが特徴です。

バンボディ車


箱型のトラックが「バンボディ」と呼ばれるものに当たります。家具、家電、飲料、食品、雑貨、宅配物など、雨濡れに弱い荷物を運ぶのに適しています。

例えば家具の場合、椅子やベッドなど大きさがまちまちなので、それらをパズルのように組み合わせる楽しさもあります。

ウィング車


箱型の荷台が、鳥の翼のように大きく開くのが「ウィング車」です。ウイング部分は、電動モーターなどで自動で開閉できる仕組みになっています。

バンボディ車よりも荷物の積み下ろしが簡単だというのがメリットで、食品、雑貨、建築資材など、さまざまな荷物を運ぶのに使われます。

パワーゲート車


荷台にリフトが搭載された「パワーゲート車」は、重い荷物を簡単に上げ下げできるトラックです。テールリフト、テールゲートリフターと呼ばれることもあります。

保冷車、通風車、冷蔵車、冷凍車


食品の流通に欠かせないのが、保冷車、通風車、冷蔵車、冷凍車といったトラックです。

保冷車

断熱パネルが使われた車です。冷却機能がないため短距離の配送に使われます。

通風車

側面などにスリットが入った、走行中に換気ができる車です。

冷蔵車、冷凍車

温度調節機能が付いていて、マイナス30度以下まで冷却できる車です。冷蔵車はお弁当や生鮮食品、冷凍車は冷凍食品やアイスクリームの配送などに使われます。

タンクローリー


建設現場の重機に使う燃料や牛乳など、液体を運ぶのに使われるのが「タンクローリー」。中型の場合は、主に近距離の配達で使われます。

中型トラックは女性にもおすすめ

中型トラックは女性にもおすすめ
トラックドライバーというと男性をイメージすることが多いのではないでしょうか。

実際、トラック業界で働く人の割合は男性が圧倒的に多く、女性は3.4%という低い数字にとどまっています。

そのため、女性がトラック業界に進出しやすいよう、国も女性トラックドライバーを「トラガール」と名づけ、女性が働きやすい環境を整備する取り組みを推進しています。

コンビニ、ガソリンスタンド、トラックターミナルでの女性トイレの使用に対する理解などが深まりつつあります。

ひとり暮らしの女性などに向けた、すべての女性スタッフが作業を行う引っ越しサービスを行う会社も増えているので、中型免許を生かして、こうした会社に就職するのもおすすめです。

中型免許でできるドライバーの平均年収

中型免許でできるドライバーの平均年収
トラックドライバーは稼げるというイメージがあると思いますが、実際もらえる給与はどれくらいなのでしょうか。下記で見てみましょう。

宅配ドライバーの平均年収


平均年収:381.6万円
平均月給:29.4万円
平均時給:1000~1500円


引っ越しドライバーの平均年収


平均年収:324~440万円
平均月給:27~37万円
平均時給:800~1200円
平均日給:8000~12000円


中型トラックドライバーの平均年収


平均年収:男性407万円、女性361万円
平均月給:男性31万円(歩合15万円)、女性27万円(歩合11万円)
平均時給:1500円
平均日給:9500~18000円


中型トラックドライバーの給与には男女差が見られますが、これは一般的に男性の方が体力があるため、男性の方が給与の高いキツイ仕事に就いている傾向にあるためだと考えられます。

軽い荷物だったり、フォークリフトを使う仕事だったりと、比較的体力を使わない仕事であれば、男女間の給与の開きは基本的にありません

中型トラックの仕事が向いている人


それでは、中型トラックの仕事が向いている人は、どのような人でしょうか。

運転が好きで安全運転ができる人


運転が好きなことは、絶対条件だと言って良いでしょう。しかし、ただ運転が好きなだけでなく、安全運転ができることも重要です。

安全運転を心がけることで、自分と周りの命を守ることにつながります。

また、現実的な話として、安全運転をしなければ、運転免許証の停止や取り消しにつながる事故や違反を起こしてしまうこともあります。

多くの会社で「無事故手当」も設定されているので、安全運転を心がけましょう。

体調管理ができる人


トラックドライバーは安全第一の仕事ですが、どうしても不規則な生活になるため、タフな心身を保つためには、いっそうの体調管理が欠かせません。

運転中はひとりの時間なので、どうしてもお菓子などを食べたくなりますが、ただでさえ外食が多くなる職業なので、できるだけガマンが必要です。

職業柄、どうしても座っている時間が長くなりますが、座りすぎると全身の血行が悪くなってさまざまな不調を引き起こすので、空き時間になるべく体を動かすようにしましょう。

体力に自信がある人


積み降ろしの作業はやはり体力勝負なので、体力的にタフな人が有利です。

ただし、フォークリフトなどを使って荷物を積み降ろしする場合には、肉体的な負担は軽くなります。

また、中型トラックドライバーの場合、法律で休憩時間が厳密に定められたこともあり、以前よりも肉体的なストレスは軽減しています。

倉庫から荷物が出てくるのを待つ間も、体を休めるための時間になるでしょう。

責任感のある人


トラックで運ぶ荷物は、顧客から預かった大切な商品です。

例えば自動車の部品を運んでいるトラックドライバーが途中で荷物を破損させてしまった場合、部品がなければ自動車製造のラインが止まることになってしまいます。

引っ越しや宅配の荷物を万が一紛失してしまうと、大きなクレームになるだけでなく、会社全体の信用も失われることになるでしょう。

数ある荷物の1つだと扱うのではなく、1つ1つが顧客の大切な荷物だと認識して、責任感を持って取り扱うようにしてください。

最低限のコミュニケーションスキルがある人


中型トラックドライバーの場合、同僚と一緒に仕事をする機会は少ないのですが、荷物の積み先・降ろし先の担当者と顔を合わせる機会は1日に何度もあるので、最低限のコミュニケーションスキルは備わっていないといけません。

宅配ドライバーや引っ越しドライバーの場合、お客さんと直接顔を合わせる機会が何度もあるので、中型トラックドライバーよりも愛想の良さが求められます。

いずれの場合でも、会社や積み降ろし先を出ても、会社の看板を背負っていることになるので、ひとりよがりな行動をするのはNGです。

プロとしての自覚を忘れずに行動するようにしましょう。

中型免許でできる仕事のメリット

中型免許でできる仕事のメリット
次に、中型トラックドライバーや宅配ドライバー、引っ越しドライバーなど、中型免許でできる仕事のメリットをご紹介します。

1人の時間が多い(中型トラックドライバー、宅配ドライバー)


中型トラックドライバーや宅配ドライバーは基本的に1人で仕事を行うので、必然的に1人の時間が増えます。

特に運転中は、好きな音楽やラジオを聴いたりしながら、周りを気にせずに過ごせるのは大きな魅力となっています。

普段は行かないようなところに行ける


小型トラックドライバーは基本的に近郊のみを回りますが、中型トラック以上のドライバーになると、中~長距離を走る機会もあります。

そのため、普段は行かないようなところに行けるのは、中型トラックの仕事の大きなメリットです。

一般車よりも目線が高くなるので、いつもの景色も違って見えるでしょう。

小型トラックよりも乗り心地が良い


中型トラックはその構造上、小型トラックよりも安定しているため、乗り心地が良いのもメリットの1つです。

また、4tトラックには基本的に横になって休憩できるスペースがあります。地場ドライバーの場合、運転で疲れた時や荷物待ちの間に、ゆっくりと体を休められるでしょう。

大型トラックに比べて荷物の量が少ない


荷物の量が大型トラックほど多くはないのも特徴です。

引っ越しドライバーの場合、ベッドやテレビといった大型家具や大型家電を運ぶことが多いのですが、数人で作業を分担できるのは大きなメリットです。

大型トラックの練習になる


中型トラックと大型トラックは、運転で気を付けるポイントなどが共通しているので、大型トラックにチャレンジするためのステップになることもメリットです。

会社によっては福利厚生の一環として、大型免許の取得に補助金を出しているところもあるので、チェックしてみましょう。

また、荷降ろしに使うフォークリフトや、クレーン、玉掛けといった資格があれば、仕事の選択肢がより広がります。

中型免許でできる仕事のデメリット


続いて、デメリットもご紹介します。メリット・デメリットの両方を知った上で、自分に合うかについてを確かめてください。

拘束時間が長い


トラックドライバーの仕事でやはりデメリットに挙げられるのが、拘束時間が長いということです。

中型トラックドライバーの場合、倉庫から荷物が出てくるのを待つ時間が、日によっては非常に長くなることや、イレギュラーな渋滞などに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。

それによって次の配達の時間がズレ込むので、帰宅時間がどんどん遅くなってしまいます。

引っ越しドライバーや宅配ドライバーも、繁忙期は依頼者や荷物の数が増えるため、いつもの運行スケジュールではとても間に合わないこともあります。

運送業界に限らず、どの会社でも繁忙期はいそがしいものなので、早く帰れる時は早く帰って、メリハリのある働き方を心がけましょう。

体調を壊したり年を取ったりすると仕事がキツくなる


ドライバーの仕事は体力勝負なので、体調を崩す、年齢を重ねるなどといった理由で、仕事がキツく感じられることがあります。

そのような場合は、ドライバーの仕事から倉庫作業や運行管理者にキャリアチェンジをするという方法があります。

倉庫作業も運行管理もイチから始めるのは難しいですが、ドライバーとしてのキャリアがあるのなら、共通する作業も多いため、それほど苦にはならないでしょう。

また、車内の快適グッズも増え、居住性も高まっているため、ひと昔ほどはトラックに乗り続けていても、肉体的に疲弊しづらくなっています。

中型免許でできるトラック運転手の仕事のまとめ


中型免許でできる仕事は、中型トラックドライバー、宅配ドライバー、引っ越しドライバーなど、近距離~中距離が中心のドライバーなどです。

メリットをまとめると、下記のようになります。

・近距離~中距離が多いので、基本的に毎日家に帰れる
・大型トラックほどの荷物の量がないので、体力的に楽
・大型トラックにステップアップしやすくなる


一般的に小型トラックドライバーよりも給料が高く、大型トラックよりも荷物の量が少ないため、ワークライフバランスを重視したい人にもおすすめです。

逆にデメリットとしては、このような点が挙げられます。

・拘束時間が長い
・年齢を重ねると積み下ろしがキツく感じる


拘束時間が長いのは運送業界全体の問題点なので、すぐに解決することは難しいかもしれません。

その点、早く帰れそうな時はすぐに帰るなど、できるだけメリハリをつけた働き方をしたいものです。

年齢を重ねると積み下ろしがキツく感じることもありますが、車内の快適グッズも増え、倉庫内作業に転職するという方法もあるので、それほど心配し過ぎることはないでしょう。

中型免許を生かして働きたいという人は、ぜひ中型トラックドライバー、宅配ドライバー、引っ越しドライバーなどにチャレンジしてみてください。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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