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最終更新日:2021-11-01

3トントラックを運転するには準中型免許が必要

トラQ編集部
3トントラックを運転するには準中型免許が必要
3トントラックは小型トラックではありながら、多くの荷物を載せて運べるというパワフルさが魅力です。

しかし見た目だけでは、2トントラックと3トントラックの見分けはつきませんよね。

2トントラックと外観はほとんど同じですが、3トントラックは2トントラックとは異なり、現行の普通免許では運転できません。

免許取得年月日によっても変わりますが、3トントラックを運転したいのであれば、平成29年3月12日以降に発行された普通免許保持者は準中型免許を取得しないといけません。

「準中型免許」って何?と思った方も居ると思いますが、大丈夫です。

最後まで読むことで、取得方法の他、準中型免許についてしっかりとわかります。

「3トントラック運転に必要な免許とその取得方法」のほかにも、この記事を読むことで以下の内容がわかります。

・3トントラックの規定と種類
・3トントラックが活躍する現場
・3トントラックの運転に向いている人・向いていない人

それでは1つずつ見ていきましょう。

3トントラックの運転に必要な免許とは?

3トントラックの運転に必要な免許とは?
3トントラックは2トントラックと同じく、小型トラックとして分類されます。

3トントラックは2トントラックよりも多くの荷物を運べることはもちろん、2トントラックよりも足回りがしっかりと作られており、走行中も安定感があるので人気が高いです。

3トントラックを運転できる免許は以下の通りです。
■普通免許
普通免許の種類車両総重量最大積載量乗車定員
平成19年6月1日までに取得8トン未満5トン未満10人以下
平成19年6月2日~平成29年3月11日までに取得


■準中型免許
車両総重量最大積載量乗車定員
準中型免許7.5トン未満4.5トン未満10人以下

2トントラックはすべての時期の普通免許でも運転できるのに対して、3トントラックは現行の免許では、準中型免許を取得しないと運転できません。

平成19年6月2日~平成29年3月11日までに免許を取得した方は、「準中型免許(5トン限定)」という区分になっているので、5トン以上のトラックを運転したい場合は4時限の限定解除講習を受ける必要があります。

平成29年3月12日に現行の免許制度に変わった段階で「準中型免許」もできたので、小型トラックをメインで運転したいと考えているのであれば、準中型免許の取得をおすすめします。

ちなみに2トントラックの規定は「車両総重量5トン未満/最大積載量は2.0トン~2.9トン未満」となっていますが、現行の普通免許で運転できるトラックは「車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満」です。

つまり、現行の普通免許では運転できない2トントラックも出てくるということです。

小型トラックのドライバーになりたいのであれば、3トントラックまでの運転を視野に入れて準中型免許を取得しておくと、後々色々と応用の幅が広がるでしょう。

準中型免許を取得する方法は?


具体的に準中型免許を取得するには、どうしたら良いのでしょうか?まず、準中型免許の適正条件から見ていきましょう。

■準中型免許適正条件
・満18歳以上であること。
・視力は片目0.5以上、両目0.8以上。
・深視力は2.5mの距離で平均誤差が2.0cm以内であること。
・赤・青・黄の三色が識別できること。
・10m離れた場所で90㏈の音が聴こえる聴力を持っていること。
・運転に支障のない運動能力があること。

中型免許や大型免許は20歳以上が対象ですが、準中型免許は18歳以上が講習を受けられるようになっています。

深視力検査は何のために行うかというと、普通車よりも大きな車体のトラックを運転することになるため、距離感覚が正常につかめているかを確認する目的があります。

インターネット上では「深視力検査は難しい」という声も多く、不安かもしれませんが、眼科や眼鏡店でも検査を受けられるので、心配な方は前もって深視力検査を体験しておきましょう。

準中型免許取得の流れは?


準中型免許を取得するには大きく3パターンに分けられます。
①現行の普通免許を持っていて後から準中型免許を取得するパターン
②平成19年6月1日~平成29年3月11日の普通免許(準中型5トン限定)を持っているパターン
③免許なしまたは原付のみの状態から準中型免許を取るパターン

準中型免許取得までの規定はそれぞれ以下の通りです。

準中型免許取得前の状況技能(時限)学科(時限)試験
①現行免許→準中型免許131修了検定
卒業検定
②準中型免許5トン限定4卒業検定
③免許なし4127修了検定
仮免許学科試験
卒業検定

「②平成19年6月1日~平成29年3月11日の普通免許(準中型5トン限定)を持っているパターン」については限定を解除するだけなので、学科4時限を終えて卒業検定のみと短くなっています。

一方で、免許なし・原付の状態では、普通免許講習と準中型免許の講習を合わせて受けなければならないので、免許取得までに時間が掛かります。

ちなみに合宿免許では最短18日、通学免許では最短20日程度かかります。

ただ残念なことに、準中型免許が取得できる教習所は少ないのが現状です。下調べはしっかりしておきましょう。

準中型免許取得にかかる費用は?


準中型免許取得にかかる費用は、30万~40万程度です。合宿で取るか通学で取るか、申し込み時期が繁忙期か閑散期かという点や、地域によっても費用に差が出ます。

大学生の長期休暇にあたる7月~9月、2~3月といった繁忙期は5~6万程度金額が上がる傾向にあるので、費用を抑えたい方や通学で早く免許を取りたい方は、それ以外の期間を狙いましょう。

3トントラックの規定と種類

3トントラックの規定と種類
3トントラックは小型トラックに分類されており、その規定は
・全長4.7m×全幅1.7m×全高2.0m以内
・最大積載量3トン以内
・車両総重量5トン以内

です。

一般的に3トントラックの標準サイズは「全長4.7m、全幅1.7m、全高2m程度」の車体を指しますが、ボディの種類によって規定は異なります。
ボディタイプ全長全幅全高
平ボディ4.7m1.7m2.0m
バンボディ5.0m1.9m2.0m
ロングボディ7.3m2.2m2.0m

3トントラックは、荷台の上物と積み込む荷物とを併せて3トン程度になるように考えられています。

3トントラックは2トントラックとあまり車体の大きさが変わらず運転の感覚もさほど変わらないので、準中型免許を取得している方は小型トラックの中でもより荷物を多く積める3トントラックを選ぶ傾向にあるのです。

3トントラックの種類


3トントラックと言われてイメージする車両はそれぞれあるかと思いますが、3トントラックにはいくつか種類があります。

具体的な形状としては屋根のない
・平ボディ・・・屋根がない
・バンボディ・・・箱型
・冷凍冷蔵庫・・・冷凍食品や生鮮食料品を積むために上物が冷凍冷蔵庫に改良

などが代表的でしょう。

また土木建築業で活躍するタイプであれば、
・ユニック車・・・重い物を持ち上げるための小型クレーンが付いている
・ダンプ・・・積載物を一気に流しだせる

などがあります。

3トンのユニックやダンプは狭い工事現場で活躍しますが、これらについては中型や大型車両の方がパワフルでたくさん積めるので、好んで使われる傾向にあります。

それぞれの特徴は以下の表で確認してみて下さいね。

ボディの種類特徴
平ボディオープン型のトラック。汎用性が高く様々な場で活躍する。個人の引越しで用いられることも多々ある。
バンボディ荷台に軽量の箱が付いているトラック。箱がアルミの場合はアルミバンとも呼ばれる。後方ドアのみやサイドドア付きのバンも存在する。雨風から荷物を守れるため人気が高い。積み下ろしはしづらい。
冷凍冷蔵車バンが冷凍・冷蔵機能を搭載したトラック。低温タイプ(-30℃)と中温タイプ(-5℃キープ)の2種類。冷凍食品や生鮮食品、精密機器を運ぶ際に重宝する。
↓小型車両はあるが、活躍の場が中型や大型に比べ少ない種類↓
ユニック(小型クレーン付きトラック)運転席と荷台の境に小型クレーンが付いているトラックのこと。クレーンの技能講習を受ける/移動式クレーン運転免許がなければ運転できない。
ダンプ荷台部分が押し上げられ、積載物を流しだすタイプのトラック。土砂専用のダンプや鉄くず用の土砂禁ダンプの2種類がある。

ご覧の通り、3トントラックの上物は2トントラックとほぼ同じ種類ですよね。

しかし、3トントラックの上物は2トントラックよりも大きくできるという利点があります。

3トントラックは上物が大きい分2トントラックよりも大きな荷物も積めますが、積みすぎによる重量オーバーには気を付けたい所です。

3トントラックが活躍する仕事

3トントラックが活躍する仕事
ここまで3トントラックの定義や上物の種類について解説しました。

3トントラックを含む小型トラックは主に地場配送に活用される傾向にあり、中型・大型トラックドライバーと比較すると圧倒的に運転時間は少ないと言えます。

そのため小型トラック運転手はパートタイムでの募集もよく掛けられています。

それでは、3トントラックが活躍する代表的な仕事を2つご紹介します。

地場配送業


3トントラックが活躍する仕事の1つ目は、地場配送業です。3トントラックが運転できるのであれば、コンビニのルート配送の仕事も可能です。

その他には地域に根付いたスーパーや商店、または地域内の一般家庭への配達を請け負うこともあります。

配送の際には、主にバンボディや冷凍冷蔵車が使用されます。2つの積む商品の違いですが、
・バンボディ・・・温度変化の影響が無い品物
・冷凍冷蔵車・・・温度管理を徹底しないといけない生鮮食品や冷凍食品

などを運ぶトラックと認識しておきましょう。

2トントラックでは過積載にならないよう気を遣う必要が出てくるので、あらかじめ3トントラックを採用する企業も少なくないです。

引越し業者


引越し業者も3トントラックが活躍する仕事の一つです。バンボディの3トントラックがよく用いられ、家族の引越しに向いています。

荷台の広さは6畳半程度、2DKくらいの家具や家電を載せられます。

引越しドライバーは大きな家具を運ぶため、体力に自信がある人でないと務まりません。また、1人で荷物を運ぶわけではないので、スタッフ同士のチームワークも重要になり、コミュニケーション能力も問われます。

トラックの運転はもちろん、人と関わるのが好きで体力もあり、肉体労働も苦ではない方にはピッタリの職業でしょう。

3トントラックの運転に向いている人/不向きな人

3トントラックの運転に向いている人/不向きな人
3トントラックが活躍する職業について見てきましたが、3トントラックのドライバーはどのような方に向き、どのような方には向いていないのでしょうか?

具体的に特徴を挙げて解説していきます。

3トントラックの運転に向いている人


まずは、3トントラックの勤務形態から判断できる「3トントラックの運転に向いている人」の特徴をお話します。

あくまでも参考程度なので、現時点で「3トントラックを運転してみたい!」と思っている方はどんどんチャレンジしていきましょう。

運転が好きな人

これはすべてのトラックに共通して言えることですが、運転が好きな人はトラックドライバーに向いています。

3トントラックは2トントラックよりも大きいとはいえ小型トラックなので、運転の感覚はいつも乗っている車とあまり変わりません

そのため運転が好きで、トラック運転手を志す初心者ドライバーにもおすすめです。

また、「せっかく準中型免許を取ったしいつかは4トントラックも運転してみたいな」と考えている方も、ぜひ3トントラックで腕を磨いて仕事の感覚も覚えて中型トラックでの仕事に取り組んでみましょう。

長時間拘束されるのが嫌な人

長時間運転しなければいけない状況や長時間業務に縛られるのが嫌な人は、日々仕事が完結する小型トラックドライバーに向いています。

ただし3トントラックは商品をたくさん積める分、配達量は若干2トントラックより増え、仕事時間も少し長くなります。

しかし、2トントラックよりも請け負える仕事が多いというメリットもあります。

お給料を増やしたい方は3トントラックも運転できた方が断然良い、というわけです。

3トントラックの運転に不向きな人


反対に3トントラックの運転には向いていない人とはどのような人でしょうか?

強いて1つ挙げるとすると、「ルート配送が苦手な人」でしょう。

日々新鮮さがほしい人には、出勤の度に決まった場所を回ることが多い小型トラックの運転は向いていません。

トラックの車体が大きくなるほど長距離を任される傾向にありますが、初心者ドライバーが最初から中型トラックや大型トラックを任されることは滅多にありません。

最初は小型トラックから始まる企業がほとんどなので、雇い主に

・トラックの運転に慣れたな
・もう中型トラックを任せてみても良さそうだな

と判断してもらえるまでは、ルート配送が苦痛でも頑張りましょう。

仕事に励んでいるうちに楽しさが見いだせるかもしれませんよ。

3トントラックを運転したいならまずは準中型免許を!


ここまで3トントラックの運転が可能な免許や準中型免許の取得方法、3トントラックの規定などを見てきました。

最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

■3トントラック:免許関連まとめ
・3トントラックを運転できるのは準中型免許以上の免許。・まずは準中型免許を取ること!
・準中型免許を取れる教習所は少ないため、事前に下調べしておくこと。
・入校費用は繁忙期か閑散期かで変化するが、30万~40万程度が目安。


■3トントラックを運転するために必要な免許:普通免許取得年月日ごと
平成19年6月1日までに取得・3トントラック運転可能。
・5トンまで運動可能なので準中型解除講習不要。
平成19年6月1日~平成29年3月11日まで・3トントラック運転可能。
・「準中型5トン限定」扱いなので、準中型を取る場合は限定解除講習を受ける必要有り。
平成29年3月12日以降・準中型免許必須。

■3トントラックの規定と種類
・3トントラックの標準サイズは「全長4.7m、全幅1.7m、全高2m程度」。
・小型トラックに分類される。地場配送を任されることが多い。
・荷台に載せるボディの種類は「平ボディ」「バンボディ」「冷蔵冷凍庫」が主流。
・ルート配送だと冷蔵冷凍庫を使うことが多くなる。

現在は物流業が重要な役割を担う一方で、トラックドライバーを始めとする配送業者が不足しているという実態があります。

「トラックドライバーはキツイ」「トラックドライバーは長い時間運転しないといけない」というイメージがあるかもしれませんが、3トントラックや2トントラックといった小型トラックは、日中で完結する配送業務がメインです。

各店舗へ決められた時間に配達するので、残業はほぼありません

「興味はあるけど勤務時間が長そうだから」という理由でトラックドライバーを諦めた方!一度小型トラックのドライバーとして働いてみませんか?

いずれは中型トラック・大型トラックまで運転できるようになりたいと考えている方は、3トントラックの運転を一度経験してみましょう。

3トントラックの運転・配送業務を経験していると、中型トラックの運転もすぐ慣れるはずです。

小型トラックドライバーとして活躍したい方は、仕事の幅を増やすために、準中型免許取得を検討しましょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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