トラック運転手に向いている人の性格とは

仕事はその人の性格や考え方によって向き不向きがあるものですが、なるべく向いている仕事に就いた方が働きやすいですよね。

トラック運転手を目指そうとしている人が、自分が向いている性格なのか、気になる人もいると思います。

今回はそんなトラック運転手に向いている性格や実際に就職・転職する際に見られる項目について紹介していきます。




トラック運転手という職業を聞くと、人物のイメージが何となく湧いてくる人もいると思います。

ただ、近年のトラック運転手をあまり知らない人は、そのイメージが間違っている可能性があります。


トラック運転手の一昔前のイメージとして、大柄の人で気性が荒いというものを想像する人がいます。

確かに現在でもこのイメージに当てはまる人が全くいないとは言えません。

しかし、その多くは少し前の世代のドラマやニュースなどのメディアが取り上げる際に、そういった人物を出すことが多かったことが原因になっています。

更にトラック運転手は運転以外の作業が肉体労働であることから、自然に身体が大きくなる人がいるものです。

ただ、傍から見ると、それが威圧しているような感じがして、悪いイメージとなることもあります。


上記はあくまでイメージであり、近年のトラック運転手は、むしろ誠実かつ笑顔で接する人が多くなっています。

現在の運送業は正確な配送と安全運転が求められることから、時間やルールを守った配送をしていく必要があります。

また、トラック運転手が他者とコミュニケーションを取る機会は限られていますが、その中で信頼や評価を得るために、誠実な対応をしていく人が多くなります。

また、人数は多くありませんが、女性のトラック運転手も活躍しており、体格や性別に関係ない現場になってきています。

トラック運転手のイメージとの違いを見たところで、近年のトラック運転手に向いている性格とはどのようなものなのか、見ていきましょう。

また現実では、向いているタイプに当てはまらない方も働いています。その人はどんな風に働いているのかも気になりますよね。

ここではトラック運転手に向いている性格とそうでない性格の考え方を見ていきましょう。


トラック運転手は勤務中の多くが運転する時間にあたるため、車が好きだったり、走行中の景色が好きだったりと、運転そのものが好きな方はやはりトラック運転手として適正があると言えます。

この運転が好きというのは、運転スキルが高いことが求められているわけではなく、純粋に運転が好きというものです。

トラック運転手は継続して運転する場合は4時間が限度となっており、普段の運転ではそれほど長く運転しない場合もあるでしょう。

ただ運転が好きという前提があれば、長時間の運転が要求されがちなトラック運転手でも、比較的仕事は楽しいものとなるでしょう。




トラック運転手は、荷主の積み荷がある場所に到着後、配送する荷物が準備できるまでの待機時間が発生することがあります。

待機時間の平均は45分程度ですが、荷主の要望によっては数時間単位で待機させられることもあるものです。

その他にも、中心となる運転や作業を含めた拘束時間が長かったり、睡眠時間の確保が上手くできなかったりするなど、ストレスが溜まる場面もあります。

そういった面で、勤務中の様々な時間の長さや、勤務中に起こるストレスに耐えられるような我慢強い性格は、トラック運転手に向いていると言えます。




トラックの運転は大型車両を動かすことや高速道路でスピードを出すことから、安全運転のための集中力が必要になります。

特に高速道路では同じような道路で、景色も代わり映えしない場所もあり、眠気や注意力が散漫になりがちなので、意識して集中しなければいけません。

また、運転や積み降ろしなどの作業は、場所や積み荷が変わっても内容自体が大きく変わることはありません。

そうなると、毎日の繰り返しの動作が単調化されてしまい、人によってはそれが退屈に感じてしまうこともあります。

そのためトラック運転手の業務全体は、運転時の集中力が長続きしたり、普段の作業を飽きずに続けられたりなど、熱中しやすい性格の方が向いていると言えるでしょう。




トラック運転手は一般的には、荷主や送り先の人と関わることになります。

ただ、会社や勤務形態によっては、荷主や送り先が毎回のように変わることもあり、会社以外の人の継続的な繋がりはほとんどなくなる場合もあります。

それに対して寂しさを感じる人もいますが、反対に無駄な繋がりを持たなくて良い点に魅力に感じる人もいます。

また、トラック運転手はペア作業を必要とすることもありますが、基本的には一日の多く一人で過ごします。

それらの理由から、さっぱりした性格で孤独に強い人の方が、トラック運転手に向いていると言えます。

性格については簡単に変えられるものではないので、トラック運転手になった後に色々工夫していく必要があるでしょう。

ただ会社への求人の際のポイントとして、意識的に変えると採用される確率は上がります。

それでは、トラック運転手を雇用する会社が求める人物像とはどのようなものか見ていきましょう。


性格として運転好きな性格はトラック運転手に向いていると書きましたが、採用面で見るとそれに加えて基本的な運転スキルが求められます。

会社によっては中型・大型免許の取得補助を含めてトラック運転手の募集をすることもあるので、普通免許の時点である程度の運転スキルがある人の方が採用されやすいです。

ただある程度というのは、普通免許を取得済みの人で、定期的に運転して問題ない技術があれば良い程度なので、それほど大きなハードルにはなりません。

結局は中型・大型免許の取得時にトラックの運転スキルを身につけていくことになるので、基本的な運転できれば問題ないのです。

一方、既に中型・大型免許を取得済みで会社へ雇われる時は、トラックの運転していない期間がそれほど長くなければ、自動的に満たしている条件と言えます。


トラック運転手で人とコミュニケーションを取るタイミングは、荷主とのやり取りや配送先での受け取り確認など、かなり限られます。

だからといって、その限られた範囲での対応が良くないと、依頼者の心象は悪くなり、次の仕事に繋がらなくなってしまいます。

そのため採用したい人物としては、マナーやモラルが守れる人が求められるのです。

近年では運転スキルよりも重視されることもある項目で、営業職や接客業からトラック運転手に転職する人は、この部分を強く生かせる可能性があります。


責任感はどんな仕事でも求められるものですが、正確な配送や安全運転が必要となるトラック運転手では、更に重要な項目です。

大型トラックの運転は、高速道路でのスピードが出る場面での運転や天候によっては悪路での運転を伴うものになります。

そんな時、到着時間に気を配りつつ、事故を起こさないような運転をするためには、責任感のある人物が適していると採用者は見るのです。

トラック運転の経験がある人でも、常に責任感を持って仕事に取り組む必要があり、こちらも運転スキル以上に重視されることがある項目です。

トラック運転手は会社に所属した時に、自分が自覚している性格とは別に、運転の適性診断を受けて運転に関する自分の性格を見ていくことになります。

その適性診断を行っているのが、NASVA独立行政法人自動車事故対策機構です。


NASVAの運転適性診断は、トラック運転手、バス、タクシー、ハイヤーなどの自動車運転業務の入社時や転職時に、必ず受けることになっています。

またそれ以降も、3年1回のペースで、一般診断を受講することが推奨されています。

この適性診断は運転の向き不向きや上手下手を決めるものではなく、運転に関する癖や短所を明らかにすることで、それを意識したり、改善するためのアドバイスを受けられるものです。

自動車教習所で行われる適性検査の自動車運転業務版とも言えるもので、この結果によって就職や転職を撤回されることはありません。

定期的な診断は慣れると頭にはあっても薄れがちな運転意識を見直せるので、業務中の事故防止に効果があります。

運転が好きとは言えない人も仕事としての意識を高めるため、大いに参考にできる診断です。


NASVAの運転適性診断は全て事前予約となっており、診断自体はインターネットの専用サイトで行うものです。

初回の診断は、最寄りの自動車事故対策機構へ手続きをする必要があります。

それ以降はユーザーIDとパスワードが発行されるので、インターネットもしくは電話から予約できるようになっています。

受講料は適性診断の種類によって変わりますが、初回の診断は義務付けられたものなので、通常は会社負担となります。

受講時間は基本的な診断は1時間強ですが、カウンセラーも伴う診断やより精密な診断では、更に時間を要します。

診断結果は運行管理者(事業主)と受講者用にそれぞれ送られるようになっています。


NASVAの運転適性診断は、受講者の要望や特定の条件で受講する適性診断が異なります。

①初任診断


②一般診断


③カウンセリング付一般診断


④特別診断


⑤適齢診断


⑥特定診断Ⅰ


⑦特定診断Ⅱ

トラック運転手に向いている性格は運転好きな性格、我慢強い性格、熱中しやすい性格、さっぱりした性格が主に当てはまります。

ただそうではない性格の人も、勤務中の隙間時間や休憩時間を自分に合った環境に工夫をして、慣れていきます。

また、トラック運転手として就職・転職した後には運転適性診断を受けることになり、自分の運転に関する性格や傾向を見られるので、そこからの改善もできるようになっています。

今回挙げた性格と採用者の見る面を参考にしつつ、トラック運転手として働くことを検討していきましょう。