最終更新日:2021-11-02
トラック運転手は楽しい仕事?きつい面も踏まえ、やりがいを検証!
車を運転するのが好きな人にとって、トラック運転手は気になる職業だと思います。
しかし、トラック運転手と聞くと「キツい」というイメージばかりが先行して、就職するのをためらってしまうかもしれません。
確かに、トラック運転手は誰もができるわけではないキツい仕事ですが、その分、楽しいこともたくさんあります!
たとえば、下記のようなことがメリットです。
・運転中は自分だけの時間で、ドライブ気分で仕事ができる
・人間関係のストレスが少ない
・給料が良い
・人間関係のストレスが少ない
・給料が良い
ここでは、これらのトラック運転手の楽しいところを詳しくご紹介します。
より仕事をリアルに知ってもらえるようにキツいところも解説しますので、両方を見比べて、自分に合うのかどうか確かめてみてくださいね。
【目次】
1.トラック運転手の楽しいところは?
1-1.ドライブ気分で仕事ができる
1-2.運転中は自分だけの時間
1-3.給料が高い
1-4.人間関係のストレスが少ない
1-5.人生経験豊富な人が多くて話がおもしろい
1-6.パズル感覚で荷物の積み下ろしができる場合も
1-7.自分の改善点がすぐにわかり、次につなげられる
1-8.移動先の景色やご当地グルメを楽しめる
1-9.倉庫作業の転職にも有利
1-10.ものを運ぶことを通して社会貢献ができる
1-11.ホワイト企業も増えつつある
1-12.他の会社の人と仲良くなれる
1-13.大型免許を会社のお金で取れる場合も
2.トラック運転手のキツいところ
2-1.荷物の手積み
2-2.長時間の荷物待ちと長時間の運転
2-3.事故のリスク
2-4.拘束時間が長い
2-5.荷物のチェック
2-6.トイレに不自由することがある
2-7.ぞんざいに扱われることも
2-8.悪天候で家に帰れないことがある
2-9.腰やひざを痛めやすい
2-10.キツい配送ルートがある
2-11.冷凍庫での作業
3.キツいけど楽しい仕事!
トラック運転手の楽しいところは?
まずは、トラック運転手の楽しいところからご紹介します。
ドライブ気分で仕事ができる
車の運転が好きな人にとって、トラック運転手は天職!
トラックは一般車よりも目線が高くなるので、視界を遮るものが少なく、普段のドライブで見る景色が、さらにキレイに見えますよ。
ガソリン代やメンテナンス代といった維持費は会社側が用意するので、タダで運転できるというのも、車好きにはたまりません。
大きいトラックを動かしていること自体も楽しく感じるポイントです。
運転中は自分だけの時間
一度トラックに乗ってしまうと、運転中に自分だけの時間を過ごせることも、トラック運転手の楽しいところです。
好きな音楽やラジオは聴き放題。イヤホンやインカムを着けると、好きなだけ電話もできます。
昼間から家族や恋人と長電話していても問題ないという仕事は、なかなかないのではないでしょうか。
基本的に平日しか空いていない役所にも電話できるのもポイントで、コールセンターの空いている時間をねらって電話するのもOKです。
給料が高い
基本的には、運転が好きで体力がある人しかトラック運転手になれないので、給料は比較的に高めです。
平均年収.comというサイトによると、平均給与は下記のとおりです。
・大型トラック運転手:450万円~650万円
・中型トラック運転手:450万~550万円
・中型トラック運転手:450万~550万円
また、長距離を走ると給与が高くなる傾向にあります。
同じく平均年収.comというサイトによると、このとおりです。
大手倉庫/メーカー提携の大型トラックドライバー | 平均665万円 |
---|---|
大手宅配・引越し兼業配送センター間大型ドライバー | 平均840万円 |
なかなか魅力的な年収が並んでいます。
またトラック業界は、常に人材不足です。
だからこそ、車の運転が好きで体力に自信がある人は就職が決まりやいものがあり、高級取りになれるチャンスにも恵まれています。
年齢制限がないので、仮に60歳でも体力があるのであれば、就職先には困らないでしょう。
人間関係のストレスが少ない
従業員同士で顔を合わせる時間が少ないので、人間関係のストレスが少ないところもポイントの1つです。
トラック業界は寡黙な人が多く働いているので、間を持たせるための世間話などをしなくて良いのも気が楽かもしれません。
逆におしゃべり好きな人は、トラックに乗りながら、イヤホンやインカムを着けて同僚と電話をしたりするのがおすすめです。
人生経験豊富な人が多くて話がおもしろい
年齢制限がない実力社会だからこそ、それまでにいろいろな経験をしてきた人が多く集まることも、トラック業界の特徴です。
人生経験豊富な人の話を聞くのはおもしろいものがあり、車好きが多いので、車の話題で盛り上がることも多々ありますよ!
パズル感覚で荷物の積み下ろしができる場合も
荷物の種類によっては、積み下ろしの作業がパズルのように感じられて、楽しいこともあります。
例えば、家具の場合。
積み込む荷物は、小さな椅子からベッドまで大きさがさまざまなので、崩れないようにキレイに積むのは骨が折れますが、それはまるで、ブロックを組み合わせるゲームのようです。
積んだ後は、かなりの達成感がありますよ。
降ろす順番まで計算に入れて積むとなおさらキレイに仕上がるので、より自分の中での満足度が上がるでしょう。
自分の改善点がすぐにわかり、次につなげられる
あまり見ないケースですが、たまに2人以上で作業する場合もあります。
いつもは1人で行う作業を2人以上ですると、自分と相手の仕事のやり方の差が一目瞭然です。
「ここを工夫すると、もっと早く荷物が積めるんだな」といったように、相手のやり方から自分の改善点がすぐに見つけられるので、自分の成長につなげられますよ!
移動先の景色やご当地グルメを楽しめる
長距離トラックの場合は特に、普段は行く機会がないところにも出向くことがあるので、いろいろな景色を楽しめるのも見逃せないメリットです。
南は沖縄、北は北海道まで、いろいろな観光名所をその目で見られるでしょう。
また、4時間走行すると30分休憩を取ることが法律で決められているので、運転中に、道の駅や高速道路のサービスエリアへ立ち寄る機会もあります。
そんなときは、トラックを停めて景色を楽しみながら、ご当地グルメを味わえるんですよ!
トラックで仮眠をするにしても、いつもと違う景色を眺めながらウトウトするのは気持ち良いものです。
倉庫作業の転職にも有利
体を壊したり、病気になったり、運転するのが嫌になったりした場合、倉庫作業の仕事への転職もスムーズで保険にもなります。
倉庫作業の仕分けや検品といった作業は慣れていないと難しいのですが、その点、トラック運転手は日常的にこれらの作業を行っているので、検品作業の仕事に転職の際にスムーズなのも特徴です。
10年・20年トラック運転手としてガッツリ働いた後は、比較的ゆったりとした倉庫作業の仕事へ……といったキャリアプランを描けるのも、大きな魅力になるでしょう。
ものを運ぶことを通して社会貢献ができる
社会貢献ができるのも、トラック運転手の魅力の1つです。
例えば、食料品をスーパーに持っていく場合に「この荷物をちゃんと運ばないと、スーパーでみんなが買い物できない」と感じられ、真夏にジュースを運んでいるときに「この荷物を届けないと、熱中症の人が増える!」などと、使命感を持てる機会がたくさんあります。
特に、配達先から「早く届けてもらって助かった!」と喜ばれると、自分が社会の役に立っていると実感できますよ。
コロナ禍の昨今、物流業界の重要性が見直されているので、立ち寄ったコンビニでお礼を言われることも!
たまにトラック好きの子どもから手を振ってもらえて、うれしくなることもあります。
また、以前は「汚い、危ない」などのイメージが強かった産業廃棄物を運ぶ仕事も、近年はSDGs(持続可能な開発目標)が広まったことで、「環境を守る仕事」だと脚光を浴びつつあります。
ホワイト企業も増えつつある
以前はトラック運転手というと「キツくて、体を壊す仕事」というイメージがありましたが、今ではその状況も改善されつつあります。
働き方改革が進んだ結果、不眠不休で運転しないと間に合わないような無茶な指示は、ほとんどなくなりました。
休日もシフト制でまわすところがほとんどで、有休はもちろん、育休の取得に積極的な会社もあります。
トラックのスピードを観測する「デジタルタコグラフ」や、ドライブレコーダーを導入している会社も多く、その場合、万が一の大きな事故を起こしても過失割合がはっきりするため、法律によって守られるような環境が出来てきているのもメリットです。
他の会社の人と仲良くなれる
同じ場所で荷物を積むことが多いので、いつも顔を合わせる人が決まってきます。そのため、自然と仲良くなって情報交換をすることも。
渋滞のときの抜け道などを教えてもらうなど、同業者ならではの有意義なコミュニケーションを取れますよ。
大型免許を会社のお金で取れる場合も
会社によっては、大型免許やフォークリフトの免許を、会社のお金で取らせてもらえるところもあります。
大型免許を取って大型車に乗れるようになると、年収500万円超になる場合も少なくありません。
フォークリフトの免許を取得すると、荷物をパレットという1メートル四方の板に乗せて積む「パレット積み」といわれる作業もできるので、仕事の幅が広がります。
また、フォークリフトの免許があると、重機や建築部品、ガラスやサッシなどを運ぶ、いわゆる「平ボディ」のトラックの仕事もまわってくるなど、メリットは大きいです。
平ボディのトラックの仕事は基本的に手で荷物を積む作業がないので、「荷物は積まずにずっと運転だけをしていたい」という人におすすめです。
トラック運転手のキツいところ
どんな仕事も楽しい面ばかりではありません。きつい部分を押さえた上で、なお楽しいと思えるのであれば、きっとあなたにとって天職です!
ここからトラック運転手のキツいところについて、ご紹介していきます。
荷物の手積み
会社によりますが、ひたすら荷物を手で積んでいく「バラ積み(手積み)」という作業は、もっともキツいことの1つです。
トラックの積載容量に合わせて、1個あたり5~15kg程度の荷物を、多ければ2t~13t分も自分の手で積み下ろししないといけないのは、大変な作業です。
ただし、「500個のうち300個はすぐに用意できるけれど、残りはしばらく準備待ち」といったことは多いので、その間に中休みを取って体を休められます。
長時間の荷物待ちと長時間の運転
意外とキツいのが、倉庫から荷物が出てくるのを待つこと。
なかなか荷物が出てこないと、次の仕事に響くだけでなく、その分すべて後ろ倒しになるので、家に帰るのも遅くなってしまいます。
また、いくら運転が好きでも、やはり長時間の運転をキツく感じる場合はあります。
特に、イレギュラーの通行止めや事故渋滞はキツく感じることが多いでしょう。
いつも混んでいる場所は心の準備ができますが、急に混んでトラックが動かない場合、どうしてもイライラしてしまいます。
グーグルマップなどを参考にしながら、抜け道を考えたり、荷物待ちの間にほかの人と「あの交差点を曲がったら早いよ!」などの情報交換をしたりして、できるだけ運転が長引かないようにするのがポイントになります。
事故のリスク
トラックの場合、万が一事故を起こしたとき、被害が一般車よりも大きくなるため、普段以上に安全対策に気を配らないといけません。
ミラーが付いているとはいえ、トラックには死角が多いので、ゆっくり曲がる、交差点に進入する前に歩道をひととおり見る、といった安全対策を欠かさないようにしましょう。
しかし、いきなり大型車に乗せる会社は少なく、まずは助手席に乗って勉強することがほとんどです。
少しずつ慣れていけるので、過剰に心配しなくても大丈夫ですよ。
拘束時間が長い
拘束時間が長いことも、トラック運転手の仕事でキツいことの1つです。
アイスを例に取ると、8月は小売り側にとっては「いくらでも売れるから、いくらでも届けてほしい」という状態です。
そのため、繁忙期の1~2か月は運転・積み下ろしの時間が10時間+休憩(荷物待ち)が4時間ということもザラにあります。
しかし、近年、インターネットを通した発注システムなども開発されており、倉庫の中でも滞在時間の減少などが見込まれるため、今後はトラック業界全体において、拘束時間が短くなることが期待できます。
荷物のチェック
基本的に、倉庫から荷物を出してトラックに積んだ時点で、トラック運転手が荷物についての責任を負うことになります。
そのため、トラックに積む前に、荷物が破損していないか、数は合っているか、違う荷物がまぎれ込んでいないかなどをチェックすることが大切です。
ただし、多くの倉庫では「1段に●個積む」など、積み方のルールが決まっています。
そのため、1段に10個の荷物を積む倉庫の場合、「3段積んだから30個だな」など、ひとめで個数がわかることがほとんどです。
荷物の破損などに関しては、手積みの場合には自然と気がつくはずなので、それほど心配することはありません。
トイレに不自由することがある
基本的に荷物の積み下ろし中は、倉庫のトイレは借りられ、運転中はコンビニや道の駅、サービスエリアなどが使えるようになっています。
ただし、急な渋滞などの場合はトイレに困ることもあります。
そんなときに備えて、普段から災害用の簡易トイレを1つ積んでおく安心です。
ぞんざいに扱われることも
倉庫で荷物待ちをしている間、残念ながら倉庫側から「業者だから別に待たせても良い」という風に扱われることもあります。
しかし、気さくな倉庫担当者もたくさんいて、仲良くなれるケースはいくらでもあります。
倉庫担当者との相性もあるので、一喜一憂せずに、荷物待ちの間は、自分の時間を楽しんだり、同業者と情報交換したりして過ごしましょう。
悪天候で家に帰れないことがある
滅多にありませんが、台風や大雪で家に帰れないこともあります。
「橋を渡って人工島に行ったら、帰り道に大雨が降って橋が通行止めになって、帰宅できなくなった」ということも。
しかし、トラックは車内で寝られるように作られているので、「ホテルも急には見つけられない」というときも、寝床に困ることはありません。
腰やひざを痛めやすい
運転のし過ぎで腰を痛めたり、荷物の積み下ろしでひざを痛める場合もあります。
そうならないために、休日には軽いランニングをするなど、軽い運動をするようにしましょう。
キツい配送ルートがある
どこの会社でも、荷物を積む量と件数に対して時間がギリギリの「キツい配送ルート」が多かれ少なかれあるものです。
キツい配送ルートの場合、常に時間に追われることになりますが、最悪の場合、荷物が遅れることで、弁償になることもあります。
部品を時間までに届けられなかった場合、例えば車の製造工場の場合、部品がないことで製造ラインをストップせざるを得なくなってしまうからです。
しかし、トラック運転手が最善を尽くしていれば、会社側から弁償を求められることはありません。
トラックを満載にしたら、乗せた荷物の代金がトータルで500万円になることもよくあります。
良くも悪くも、文字どおり「自分は大きなお金が動く仕事をしている」という自覚を持ちながら、焦って自損事故を起こさないように、落ち着いて運転しましょう。
冷凍庫での作業
冷凍食品やアイスなどを扱う場合、倉庫内の気温が0~マイナス10℃になることもあります。
そんな環境のなかでバラ積みをするのは、かなり大変な作業です。
ホームセンターで売っているウレタンの靴下などを履くとかなり温かいので、そういった防寒対策を欠かさないようにしてください。
防寒着は会社が支給してくれることもあります。
キツいけど楽しい仕事!
ここまで見てきたとおり、どの仕事でも同じですが、トラック運転手には楽しいところ・キツいところの両方があります。
楽しく感じるのは、主に下記のようなところです。
・運転中は自分だけの時間で、ドライブ気分で仕事ができる
・完全な実力社会で、人間関係のストレスが少ない
・給料が良い
・仕事を通して社会貢献ができる
・完全な実力社会で、人間関係のストレスが少ない
・給料が良い
・仕事を通して社会貢献ができる
逆にキツいと感じるのは、主に下記のようなところです。
・拘束時間が長く、家に帰れないこともある
・荷物の手積みと呼ばれる作業が大変
・トイレに不自由することがある
・荷物の手積みと呼ばれる作業が大変
・トイレに不自由することがある
誰でもできる仕事というわけではないので、確かにキツいところは多々あります。
しかし運転が好きで体力に自信があるのであれば、高給もねらえるトラック運転手は、天職だと言えるでしょう。
キツい面もありますが、それ以上に楽しいことがあるのが、トラック運転手の仕事と言えるでしょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗
運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。